スポーツの地域格差是正を

スポーツの地域格差の是正を願って募金、サッカーボールを贈った高校生たち=19日、伊仙町西伊仙児童館

探究と併せて募金も
学童施設にサッカーボール贈呈 徳之島高生徒ら

 【徳之島】徳之島高校(上田勇一校長)の「総合的な探究の時間『ホエールタイム』」で、地域課題に「スポーツの地域格差を是正するために」を設定。高校生視点の研究・解決を模索するプロセスで募金活動にも汗していた生徒グループ4人が19日、伊仙町西伊仙児童館にサッカーボール2球を贈呈。放課後児童クラブ(学童保育)の後輩らを喜ばせた。

 同テーマの研究班は、現在普通科3年生の中村瑠夏・盛本愛佳・上木京佳・勝梓奈さんの4人。2年生時に着眼・設定して取り組んだ同課題の背景に、①徳之島は運動のできる施設はあるが、用具が十分に整備されていない②用具を貸し出す施設も少なく、自分で持参する必要がある③大型スポーツ用品店もなく用具をそろえるのが難しい(要旨)―などがあった。

 現状を知るためにまず島内の中学生73人を対象に、継続中のスポーツ有無や種類などのアンケートを実施。昨年12月からは「スポーツ用具を寄贈しよう」と伊仙町内のスーパーなどに手作りの募金箱を設置して呼び掛けた。そして今回、寄せられた募金計7675円でサッカーボールを贈ることになった。

 西伊仙児童館では終業式を終えた子どもたちが、ピッカピカのボールを手に「ありがとうございます」と元気な声を響かせた。同クラブ支援員女性も「遊具や運動用具は多いほど助かります」と感謝していた。

 4人は1年余の探究活動を通した今後の課題には「現状についてもっと知る必要があると思った。アンケートも島内の中学・高校生たちも含めて取り、より深く徳之島におけるスポーツの地域格差の現状を知って改善のための対策を考えたい」とした。