コールバック調査で川辺のカエルを観察する親子たち
奄美海洋生物研究会による講座「見分けよう!島のカエルとシロアゴガエル」が20日夜、奄美市名瀬の奄美海洋展示館であった。参加した親子ら約20人は、見逃せば在来生物を脅かす恐れのある特定外来生物「シロアゴガエル」の特徴や生態を学び、近くの川や広場で〝侵入者〟がいないかを監視した。
環境省「奄美群島における未侵入外来種(両生類)の侵入監視等ワークショップ」の一環。シロアゴガエルは東南アジア原産で、体長は5~7㌢。奄美大島は未確認も、2013年に与論島、昨年5月には徳之島で確認されており、侵入を許せば在来種の生態系などを乱す可能性が指摘されている。
講座は、生態を学ぶ座学と観察に繰り出す屋外調査の2部制で実施。講師は同研の打和侑菜さんが務めた。
シロアゴガエルの主な特徴は、▽上あごが白い▽前足の吸盤が大きい▽卵が泡状―など4点。座学では、子どもたちが「グィ、ギィ」と鳴く特徴などを学び、冷凍標本を手に他のカエルとの違いなどを見極めた。
屋外調査では、鳴き返しの習性を生かしたコールバック調査と呼ばれる方法を使い、闇夜に潜むカエルを散策した。懐中電灯を手に親子らは、録音した音声に反応する鳴き声に耳を澄ませ、水辺や草むらを監視。確認内容を調査票に書き込んだ。
家族5人で来た朝日小4年の稲田智生君(10)は「こうして少し調べただけでもいろいろな種類の生き物がいることに気付かされる。(発見した場合は)見分けられそう」と笑顔だった。
調査を終え打和さんは「生き物はそれぞれがバランスを保ちながら暮らしているので(侵入者には)対策が必要になる」と強調。「見つけた場合は、すぐに環境省に連絡して」と呼び掛けた。
21日は瀬戸内町の図書館郷土館でも同講座を行った。