2年ぶりに開催された第9回奄美大島・喜界島マンゴー品評会。出品数は前回を8点下回ったが、審査では品質の良さが評価された
表彰された金賞1点、銀賞2点、銅賞2点のマンゴー
昨年は台風6号襲来で中止となったため、2年ぶりの開催となる第9回奄美大島・喜界島マンゴー品評会(県園芸振興協議会大島支部果樹技術部会主催)が24日、県農業開発総合センター大島支場であった。両島の4市町村から前回より8点少ない11点の出品があり審査の結果、喜界町の川村英幸さん(65)が最高の金賞を受賞した。川村さんは2021年に開催された第7回品評会でも金賞を受賞しており2回目と、高品質のマンゴーを生産している。
両島におけるマンゴーの生産振興及び生産者の技術向上を目的に15年度から品評会を開催。今回は奄美市5点、大和村、龍郷町各1点、喜界町4点の出品があり、審査は大島支場の松比良邦彦支場長を審査委員長に、同支場や大島支庁農政普及課、JAあまみ大島事業本部の果樹担当者ら6人で実施。外観品質は果皮の着色・障害(病害虫の被害など)・玉ぞろい、内容品質は糖度を審査項目に、金賞1点、銀賞2点、銅賞2点の計5点を選出した。
大島支庁農政普及課によると、両島の生産状況は今期(24年産)栽培面積19・9㌶、栽培戸数184戸で、64㌧(昨年94㌧)の生産量を見込んでいる。5年間で比較した場合、20年の49㌧に次ぐ下から2番目の量にとどまる見通し。施設栽培で行われているが、マンゴーは温度変化に弱い。今期の気温は2月高く、3月は低くなり、4月は再び高くなるなど乱高下。春先の天候不順により花が付かない枝が多かったという。また、梅雨明け以降の気温上昇や猛暑続きにより収穫までの進捗(しんちょく)が前倒し、6月中旬から収穫が始まるなど例年より2週間ほど早いという。温度が高すぎると果皮の赤色がくすむ影響も出ている。
急激な温度変化で栽培管理技術が問われた中でも品評会に出品されたマンゴーは、品質の良さが評価された。最高糖度17・5度、平均糖度でも15・07度。花付き、着果状態が思わしくなくても22年品評会とほぼ同水準を保った。審査講評で松比良支場長は「金賞の川村さんは糖度が16・3度と高く、外観も素晴らしかった。出品されたマンゴーは技術の高さを示しており、今後も高品質のマンゴーを生産してほしい」と指摘した。
金賞受賞の川村さんは早町地区にマンゴー生産の鉄骨ハウス(面積12㌃で2連棟が三つ)があり、今回で4回目の出品。前回22年の品評会では銀賞を受賞している。川村さんは「2回目の金賞受賞はうれしい。モチベーション向上につながる」と喜びを語り、栽培管理では「気温の急激な上昇で果実の玉落ちが早まったが、換気やかん水によりハウス内の温度管理に注意している」と説明。今月中旬には収穫のピークを迎え9割は終了、島内外からの注文に対応しているという。
金賞以外の受賞者は次の通り。(敬称略)
銀賞=高岡果樹園(喜界町)、㈲奄美興島園(奄美市笠利町)▽銅賞=泰山峯喜(喜界町)、中村勝郎(奄美市笠利町)