東京奄美会文化講演会

参加者を前に熱く語る三浦さん
講演後、三浦さんを囲んで記念写真に納まる参加者ら

三浦一広さん熱弁「すべての子にチャンスを」

【東京】東京奄美会(宮地正治会長、泰良宗男幹事長)は7日、品川区立総合区民会館きゅりあんでNPO法人奄美青少年支援センターゆずり葉の郷(奄美市名瀬長浜町)の三浦一広所長(69)を講師に2024年文化講演会を開催した。会場には約120人が詰め掛け、三浦さんの青少年に対する熱い思いに耳を傾けていた。

「すべての子にチャンスを! 人生の大逆転! 心の復興を求めて!」と題した講演会では、勝光重文化広報部長の趣旨説明、宮地会長のあいさつに続いて、保護司でもある三浦さんが拍手の中、笑顔で登壇した。三浦さんは、中学時代に空手と出会って非行から立ち直り、やがて消防士になった。自称「40年間おせっかいおじさん」として「許す、認める、ほめる、励ます、感謝する」をモットーに青少年保護活動を始め、2000年に民間ボランティア団体を発足させた。「貧乏で行き場のない子どもたちと絆を確かめ合ってきた。その結果、県下一治安が悪かった名瀬からやくざがいなくなった。愚連隊が少年警備隊として取って変わった」と話した。

また、三浦さんの元で更生し、警察官を目指した少年によって「身長、体重の制限が撤廃された」などのエピソードに触れ、活動の際、故保岡興治衆院議員が各方面に折衝にあたったことを紹介。「興治先生には、大変お世話になった」と繰り返した。故保岡氏は、「ゆずり葉の郷」の永久顧問として名を連ねている。

その後、テレビ番組で取り上げられた施設の内容を大型スクリーンで説明。子どもたちが夢と希望を持てるよう取り組む三浦所長とスタッフらの奮闘ぶりが伝えられた。同センターが開設する自立支援ホーム3施設では、19人の子どもに20人のスタッフが汗している。三浦さんは「夢は、自分が関わった子どもたちがやがて家庭を持って、彼らが助ける側に立つこと」と締めくくった。都内から参加した70歳代の男性は「なかなかできることではない。奄美の奇跡だ。素晴らしい」と感心していた。

参加者と記念写真に納まった三浦さんはその後、シマ唄や久永さとみさんの新民謡が舞台を飾った懇親会でも各郷友会関係者と懇親。教育の話題などで盛り上がっていた。