カウンセリング手法の理解深める

構成的グループエンカウンターについて説明する石塚勝郎支部代長(25日、奄美市名瀬の奄美川商ホール)

「本音寄り添い解決策へ」
奄美市教委 教職員向け研修会

 奄美市教育委員会は25日、同市名瀬の奄美川商ホールで教職員向けの研修会を開いた。市内の学校長や養護教諭、教諭ら35人が参加。日本教育カウンセラー協会鹿児島県支部から講師を招き、学校におけるカウンセリング手法の「構成的グループエンカウンター」について理解を深めた。

 研修会は奄美市教育委員会が作成した「あまみっ子」すこやかプログラムの一環で年1回実施している。構成的グループエンカウンターとは、心理学のカウンセリングの一つで集団学習体験を通して、自己発見による行動の変容と人間的な自己成長を狙い、本音と本音の交流や感情交流ができる親密な人間関係づくりを援助するための手法。1960年代に生まれ、近年はビジネスシーンでも応用されている。

 研修会では日本教育カウンセラー協会鹿児島県支部代表の石塚勝郎氏(87)が講師を担当。構成的グループエンカウンターについて石塚代表は、①子どもたちの居場所づくりになる②短時間であたたかな人間関係が構築できる③教師を育て、教師を援助する―などの利点を説明。カウンセリングにあたり、「年齢、性別、肩書きなどは関係ない。相手に本音を言いやすい環境づくりが重要だ」と語った。

 後半では環境づくりの例として、ペンをタッチしてあいさつ、じゃんけんの手の甲たたきなどエクササイズ(課題)があり、参加した教諭らは2人1組や複数のグループでエクササイズに挑戦し、座学と実践を通してカウンセリングの知識と技術を深めた。

 研修会に参加した名瀬中の宮下正也教諭(35)は「エクササイズを通じて進路や受験に悩んでいる生徒の本音に寄り添い、解決策を見いだせたら」と話した。

 石塚代表は「大人が笑顔で楽しまなければ子どもたちも心を開かない。今回の経験を糧にして少しでもよりよい学校環境づくりに貢献できれば」と話した。