読書の大切さ認識

知名町の取り組みを発表した読書指導者研修会(25日、同町あしびの郷ちな)

事例発表や講演 大島地区読指導者研修会 知名町で

 【沖永良部】第32回大島地区読書指導者研修会が25日、知名町あしびの郷ちなであった。群島内の学校図書館関係職員やPTA読書指導担当者など約50人が参加。事例発表や講演を通して、読書の大切さについて理解を深めた。

 読書活動の推進を目的に読書指導に関する専門的な知識・技能を習得しようと、県図書館協会奄美支部が主催。今回は「読書の形」を研修テーマに行われた。

 事例発表では、知名町の移動図書館車「えらぶっくカー」の取り組みと同町立田皆小学校の読書活動について各担当者が紹介。移動図書館車の効果として、児童生徒への貸出冊数が増えたことや本に触れる機会の創出につながっていることを挙げた。また、田皆小の取り組みでは、児童によるこども園での出張読み聞かせの様子などが紹介された。

 指導助言で、県立奄美図書館の近藤陽介指導主事兼専門員は「子どもたちに本を読んでもらうための機会を作る工夫がなされている。学校、家庭、地域が連携して読書活動を推進していくと効果が上がる」と評価した。

 このほか、同町在住の音楽療法士でエッセイストの清水恵子さんが「絵本づくりは ひとづくり」と題して講演。制作した島の歴史に関する絵本を紹介したり、音楽療法の様子を実演したりした清水さんは「年を取ると、今までできたことが出来なくなるが、音楽にはその進行を遅らせ、改善させる効果がある。そして声を出して絵本を読むことは自立神経の安定につながるとされる。近所の子どもたちに絵本を読み聞かせる活動をこれから進めていきたい」と話した。