奄美和光園で夏祭り

入所者はダンスやカラオケを笑顔で楽しんだ(25日、奄美和光園)

入所者がカラオケ披露
職員は踊りで盛り上げ

 奄美市名瀬和光町の国立ハンセン病療養所「奄美和光園」(馬場まゆみ園長、入所者11人)で25日、「第30回夏まつり」があった。第11波といわれる新型コロナウイルス感染症を考慮し、入所者や職員、関係者のみの開催。入所者は、観客を前に趣味のカラオケを披露、職員らが踊りとダンスで舞台を盛り上げた。約70人が拍手を送り楽しんだ。

 夏祭りは、地域住民との交流の場となっており、例年、地元の園児や児童らも参加しにぎやかに開催されている。高齢者の多い入所者は車いす姿が目立ったが、職員と言葉を交わすなどして元気な姿を見せた。

 開会のあいさつを行った馬場園長は「(夏祭りは)和光園の今を地域に知ってもらう機会で意義深い。休会となった入所者自治会も楽しみにしてきた。縮小開催となったが、楽しみましょう」と呼び掛けた。

 来賓の安田壮平奄美市長は、11日に熊本市で開かれた全国ハンセン病療養所連絡協議会に触れ、「ハンセン病に関する正しい理解に努め、歴史を後世に伝えていく」と述べた。

 余興では、入所者が毎週練習しているというカラオケを披露。職員らは、「365歩のマーチ」や「マツケンサンバ」を舞台で踊った。最後は、全員で六調となった。

 職員の一人は「みんな笑顔。楽しんでいるようだ」とほっとした表情を見せた。