奄美大島世界遺産センター2周年

職員による30分の無料館内ガイドは夏休みの親子連れでにぎわった(26日、奄美大島世界遺産センター)

記念イベントにぎわう
ワークショップには順番待ちの列

 開館2周年を迎えた奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターで26日、「世界自然遺産の日」にちなんだ記念イベントが開催された。台風3号の影響で朝から雨が降り続く1日となったが、午前9時の開館から観光客や地元の親子連れが続々と訪れにぎわった。職員による無料館内ガイドは予想を上回る参加で盛況、海洋プラスチックを使ったアクセサリー作りには順番待ちの行列ができた。夜には、ハブ研究に関する講演会やシマ唄ライブがあり、記念日を祝った。

 「世界自然遺産の日」は、2021年7月26日の遺産登録決定を受け、奄美大島5市町村が自然遺産への理解を深めてもらおうと制定。同センターは1年後の22年7月26日、「黒潮の森マングローブパーク」内に環境省の施設としてオープンした。

 2周年となったこの日、同センターではさまざまなイベントが行われた。計3回行われた職員による無料館内ガイドの1回目には39人が参加。2班に分かれ、奄美大島の成り立ちや遺産登録の決め手となった生物多様性などについて学んだ。

 メモを取り熱心に聞いていた小宿小3年・河野りんごさん(9)は「遠い昔、奄美大島が大陸とつながっていたと知った」、妹の2年・うめさん(7)は「アマミノクロウサギが長く生き残っていることに驚いた」、県本土から帰郷していたいとこの羽根井心(しん)君(10)は「小宿小に通っていた頃、校庭でオーストンオオアカゲラを見た。木を突くスピードが〝めっちゃ速い〟と知りびっくりした」と話した。

 福岡から観光で訪れた今福敬心君(7)は「奄美に来る日をカウントダウンして待ちわびていた。クロウサギに興味がある。海にも行きたい。(龍郷町ふるさと)祭りにも行く」と奄美大島を満喫するのはこれからのようだった。

 ガイド役を務めた同センター職員の村山英史さん(62)は「小さな子どもが多かったが、予備知識もあり最後まで熱心に聞いてくれた」と満足そうに語った。

 午後は、鳥たこづくりワークショップ、マングローブの生きもの説明会などを開催、多くの人が訪れた。