職員のガイドで世界自然遺産センターを見学する奄美大島、徳之島、屋久島の高校生たち
世界自然遺産に登録された奄美大島、徳之島、屋久島の高校生が3島を巡り共に学ぶ県の事業「奄美・屋久島自然体験型交流学習」が25日、屋久島で始まった。29日は、3島の高校生10人が奄美大島を訪れ、奄美市住用町の世界自然遺産センターなどを訪れた。生徒らは背景の異なる自然環境にふれて学び、地域に広がる価値や魅力を再認識した。
若い世代が学習交流を通じて自然への意識を高め、世界自然遺産が持つ「顕著で普遍的な価値」を再認識し、未来へ継承していこうと実施。違いを知ることで自らの足元にも目を向け、行動変革につなげようという狙いもある。
ツアーは7泊8日の日程で、県職員らが同伴。24日に屋久島、27日に徳之島を巡り、28日に空路で奄美大島入りした。参加者は、大島、大島北、古仁屋、徳之島、樟南第二、屋久島高校の生徒で、希望者から選抜した。この日は、同町の世界自然遺産センターやマングローブ林などを訪れ、ミュージアム見学やカヌー体験で奄美大島の自然にふれ合った。
同センターでは、職員2人が館内を案内した。生徒たちは展示を眺めながら、原初からの奄美大島の成り立ちに始まり、独自の自然環境や生き物の多様性、動植物の生態や営みなどのガイドに耳を傾け、施設を散策。ロードキルなどの課題や利用ルールといったオーバーツーリズム対策なども学んだ。
屋久島高校2年の藤山太郎さん(18)は「(屋久島には)天然記念物などは少ないが、大きな杉やコケ、きれいな水があると再確認できた。(帰った後は)島外から来る人に地域のおすすめなどを広めながら、島の植生や動物の違い、なぜそうなったのかなどを伝えていきたい」と笑顔で話した。
30日は金作原国有林や大和村を訪問し、31日にそれぞれの帰途に就く。まとめた学習成果は、各学校内でも発表する予定だという。