養蜂の世界学ぶ

松中さん(左)の指導でハチミツの搾り体験を楽しむ親子たち

甘~い蜜、搾り体験に笑顔
子ども手熟師会 松中さん講師

奄美手熟師会(岬眞晃会長)の「子ども講習会」が7月28日、奄美市笠利町の万屋生活館であった。同町で奄美養蜂苑を営む養蜂家・松中豊和さんが講師。親子らは地元で採れる「甘~い」ハチミツを前に養蜂の仕組みを学び、手作業での搾り体験に笑顔を見せた。

ミツバチが作る甘い蜜に魅了され、15年ほど前に養蜂の世界に飛び込んだ松中さん。親子らはトッツブル(カボチャ)、シャリンバイ、タンカンの花から採れた島ならではのハチミツを食べ比べ、講習は始まった。

松中さんは、特殊なケースに入った巣箱を実際に披露し、ミツバチの生活やハチミツができるまでを紹介した。「一匹が一生に集める蜜の量は耳かき約1杯分」「ミツバチは巣箱から約2~3㌔の範囲で蜜を集め、女王バチの匂いを頼りに帰巣する」などと説明。狙った花から蜜を集める方法もこっそり教えた。

搾り体験では、蜜がぎっしりと詰まった巣板を遠心分離器にかけ、子どもたちが手回しで作業に取り組んだ。採蜜が始まると、部屋にはふんわりと甘い香りが充満。とろりとハチミツが流れ出すと、子どもたちは我先にと蛇口にスプーンをあてた。

参加した手花部小4年の垣内澪里さんは「タンカン味がおいしかった。ハチミツは人とハチの大変な作業からできている。これからは大切に食べたい」と笑顔で話した。

松中さんは「いい蜜を探し歩き続けているがまだまだ見つからない。(子どもたちには)人では作れない自然ならではの甘さやおいしさを知ってもらえれば」と指摘した。