北海道と奄美大島の動植物の違いなどを発表した自然環境ツアーの子どもたち(7月31日、りゅうがく館)
龍郷町が今年度から受け入れをスタートさせた教育民泊「かんもーれ!たつごう」の第2弾として、北海道から自然環境教育ツアーの小学生など34人が来島、奄美大島の自然や文化に触れる旅を楽しんだ。同町内の一般家庭に3連泊した子どもたちは、鶏飯などでのおもてなしを受け、「すてきな旅だった。北海道で奄美大島を紹介する」と満足した表情を見せた。
7月28日から4泊5日の日程で奄美大島を訪れたのは、北海道でナショナルトラスト運動(自然環境などを買い取り次世代に残す活動)に取り組む公益財団法人・草野河畔林トラスト財団の自然環境教育ツアー。小学生24人と高校生6人が作文などで選考され参加した。
一行は28~31日まで、同町や奄美市住用町などを中心に自然観察を行い、外来植物の駆除や泥染めなどを体験。31日は、4日間を通して学んだことをレポートにまとめ、りゅうがく館で発表を行った。町民や関係者約60人が聞いた。
発表では、北海道と奄美大島の植生の違いやエゾユキウサギとアマミノクロウサギの進化の過程などを考察した。
「奄美の植物はほとんどが〝てかてか〟している」と照葉樹の特徴を感性でとらえた発表や、アイヌ民族の蓼(たで)を用いた草木染めと奄美の泥染めを比較する発表もあった。
民泊先で食べた鶏飯が「おいしすぎて何杯もお代わりした」という江別市・大麻(おおあさ)小6年の下屋敷萌彩(もあ)さん(12)は「ドラゴンフルーツの花は南国ムード満載だった。動植物の観察を通して、奄美の森についてもっと知りたいと思った。すてきな旅だった」と笑顔で話した。ツアーでの経験を自由研究として発表し「友達に奄美を紹介したい」という。
高校生1人を含む3人を受け入れた秋名集落の伊勢永知子さん(62)は「初日からすぐに溶け込んだ。30日の夜はアマミノクロウサギに出会い大はしゃぎだった。北海道の話もたくさんしてもらい楽しかった」と振り返った。
奄美大島最後の夜となった31日夜は、西郷小浜公園で行われた八月踊りに参加。駆け寄るようにして踊りに加わった子どもたちは、最後まで異文化交流を楽しんでいた。