天然の「マシュ(真塩)」づくり体験で交流する奄美市と群馬県みなかみ町の児童たち
奄美市と群馬県みなかみ町が主催する2024年度「青少年交流事業」が1日、同市笠利町で始まり、みなかみ町の小学生が笠利町での交流を楽しんでいる。3日は、市内の児童らと、同町の打田原集落で天然の「マシュ(真塩)」づくりを体験。児童たちは平窯でたき上げた塩のくみ上げを手伝ったりと、島の食文化の一端に触れた。
みなかみ町4小学校の5・6年生14人が4泊5日の日程で来島。地域の発展を担う青少年の育成を目的に旧笠利町時代の01年度に始まった相互派遣事業で、児童らは市内家庭にホームステイし、体験学習や文化交流を通して活動を続けている。
塩づくりは、同集落の和田昭穂さん(93)が代表を務める「マシュやどり」と呼ばれる塩たき小屋で実施。砂で自然ろ過した海水をまきで2日以上煮るなど、同小屋では戦時中から続く昔ながらの製法が受け継がれており、和田さんは「海の恵みや手作りの技を通して、人と自然の関わりを学んでほしい」と話す。
この日は、市内の5・6年生児童14人も参加。塩づくりは平俊也区長(63)が指導した。
児童らは説明を受けた後、蒸気が舞い熱のこもる小屋に入り作業を開始。濃縮した海水が結晶化した「塩の花」が浮かぶ平窯の底にヘラを入れ、煮詰まった塩をくみ上げた。
みなかみ町立桃野小6年の高橋凛多朗君(11)は「奄美は自然も素晴らしいけど、鶏飯などみなかみ町にはないおいしい食べ物もたくさんある地域。(塩づくりを通して)調理にも挑戦したいし、伝統食を学んで帰りたい」と笑顔で話した。名瀬小6年の小野寺心君(11)は「みなかみ町も自然豊かな地域で詳しい人も多い。泥染めなどの文化も伝えていきたい」と残りの交流へ意気込んだ。