「平和のための戦争写真・絵画展」

戦争の悲劇を伝える写真や絵画に足を止める入場者(3日、アマホームPLAZA)

軍の加害伝える

 戦争のリアルな姿を次世代に伝え、未来にあるべき日本を考える「平和のための戦争 写真&絵画展」(同実行委員会主催)が3日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で始まった。1914年の第1次大戦参戦~41年の真珠湾攻撃~沖縄戦の悲劇~原爆投下などを約50点の写真と新聞紙面などで伝えている。

 主催者が展示会を通して伝えたかったものの一つはアジア諸国への加害。日本軍が行った虐殺事件や見せしめのための処刑の現場を貴重な写真で追っている。

 45年の原爆投下による被爆者たちのカラー写真は、目をそむけたくなるような惨状を切り取ったもの。広島の高校生が被爆者の証言をもとに描いた「原爆の絵」(複製)は、どの作品も薄暗い背景に人々の心の闇が描き出され、重苦しい空気を漂わせていた。

 そして、終戦間際の沖縄戦。米軍の上陸でガマ(洞窟)や墓の中に隠れる島民の姿が目に焼き付く。

 歴史全般に興味があり、瀬戸内町の戦跡なども訪れたという赤木名中3年の濱崎未結(みゆ)さん(14)は「普段目にすることのない悲惨な写真があった。細菌兵器のことなども説明してもらった。戦争には、加害者・被害者の両面があることに改めて気付かされた。基地問題などもあらゆる角度から考えていきたい」と話した。

 主催者の一人で、高校の社会科教師だったという文澤竹弘さん(65)は「弱い者が苦しめられ、犠牲になるのが戦争。日本軍の加害の歴史を伝え、平和と戦争を考えるきっかけにしてほしい」と写真展への思いを語った。

 入場無料。7日まで。午前9時~午後9時(最終日は午後6時)。