奄美トップ、徳之島町の4億円

奄美トップ、徳之島町の4億円

 

 

 

6年連続、件数は初の4万件台
伸び率最大は瀬戸内町
23年度ふるさと納税

 

 ふるさと納税制度による2023年度の自治体への寄付額(総務省まとめ)で、奄美群島12市町村では徳之島町の4億2909万5千円が最多となった。同町のトップは18年度から6年連続、寄付件数もトップで初めて4万件台に達した。寄付額の伸び率は瀬戸内町が最も大きく、2倍近くまで上昇した。

 奄美群島の合計は寄付額15億9144万8千円(前年度15億6265万円)、寄付件数11万6387件(同13万5188件)。寄付額の前年度比は1・02倍。

 市町村別で寄付額が前年度より増えたのは大和、宇検、瀬戸内、龍郷、徳之島、天城の6町村。減少は奄美、喜界、伊仙、和泊、知名、与論の6市町。増加町村のうち伸び率最大は1・86倍の瀬戸内町。22年度の7793万1千円から1億4485万3千円と一気に1億円台を突破した。同町の担当者は「サイトを通さず直接の納税が出身者から増えている。出身者が参加する郷友会(全国にある出身者組織)や物産展などで町長、役場担当者がふるさと納税への協力を呼び掛けており、増加につながったのではないか」と説明する。返礼品では同町で養殖が盛んなクロマグロの冷凍品が一番の人気という。

 寄付額が1億円を超えたのは同町のほか、奄美(3億円)、龍郷(1億円)、喜界(1億6千万円)、徳之島(4億2千万円)の5市町。トップの徳之島町は前年度の4億2004万3千円から905万2千円の増額。寄付件数(4万3916件)もトップで、前年度の3万9265件から4651件増えた。

 徳之島町の寄付額4億円以上は18年度から連続している。同町ふるさと納税担当者は「日本航空(JAL)と同グループ商社JALXの自治体プロジェクト支援(JALふるさとクラウドファンディング)に採用されたアマミノクロウサギ保護、徳之島高校支援などの取り組みが全国に情報発信され、こうしたプロジェクト関係で1800万円以上の寄付額につながった。リピーターも多い。企業版ふるさと納税では、寄付の活用で海外研修を含む子どもたちの教育環境向上に役立てていることを周知している」と増加要因を説明。事業者を対象にした座談会開催などの取り組みにより返礼品も数が拡大、約100事業者が賛同し商品を提供しているという。

 ふるさと納税制度は08年度にスタート。寄付金は自治体の自主財源となるほか、寄付者へ謝礼として贈る返礼品が地場産業の振興にもつながるため、各自治体とも制度を積極的に推進。初年度の全国の寄付総額は81億4千万円だったが、地域の魅力的な返礼品に対する認知度が広がったことで利用が拡大。総務省が2日発表した23年度の自治体への寄付総額は、前年度比1521億円(15・8%)増の1兆1175億円に上り、初めて1兆円を超えた。寄付によって居住自治体の24年度の住民税が軽減された制度利用者も前年度に比べ約107万人増の1000万2000人となり、過去最多を更新した。

 都道府県別の合計額は、佐賀を除く46都道府県で増加。鹿児島県内の自治体への寄付総額は、前年度比1・04倍の計443億2904万円で、11年連続で過去最高を更新した。