議場で市政について質問する中学生
奄美市内の中学生が市議会一般質問を疑似体験する「ひかり議会」が5日、市役所の市議会議場であった。市内11校の代表14人が参加。議長、司会、書記を除く11人が市議会議員となって登壇。人口減少対策やジェンダーレス、自然保護、通学路の安全対策など市政の課題を幅広く取り上げ、当局へ鋭い質問を投げ掛けた。
将来の奄美市を担う子どもたちに、市の現状や未来を考え、郷土を愛する心を育て、議会の仕組みや市の現状に対する理解を深めるとともに、今後の学校生活及び生徒会活動などをより良くするための態度を育てることを目的に、市教育委員会が主催。10回目の開催となった。
大山皇成さん(笠利3年)は「市として人口減少及び少子高齢化に対してどのような対策をしているか」と質問。当局は「市としても一番の課題であり、将来の推定人口を上回ることを目標にしている」とし、「子育てしやすい環境、移住及び定住環境、仕事環境の三つの環境づくりに向けた事業を計画している」答弁した。
榊幸太郎さん(東城3年)は「LGBTQ(性的少数者)に配慮した、制服を導入する予定はあるか」と質問。当局は「制服は、学校関係者からの意見を踏まえ、校長が決めることになっている」とし、「市内でも検討を始めている学校がある。意見を出し合い、議論を深めてほしい」と答弁した。このほか、環境問題や観光、土曜授業などの質問が相次いだ。
意見交換では「市政や議会に関心を持つことができた」や「課題を知るとともに、自分たちにできることも分かった」「自分と同じ意見を持っている人がいてうれしかった」などが出された。
議長を務めた、立石楽人(らくと)さん(赤木名3年)は「本番は緊張したが議会を進めることができた。議場に立つという貴重な経験ができて良かった」と語った。
トップバッターで登壇した、大山さんは「みんなで考えたことが質問でき、しっかりした答えももらえた。市長以外の多くの人の顔が見られて良かった」。 食料自給や人手不足対策などについて質問した、荒田結心(ゆう)さん(小宿3年)は「貴重な経験ができてうれしい。市政にも興味を持つことができた」と話した。