奄美市世界自然遺産プラットフォーム

ワークショップで意見を出し合う世界自然遺産活用プラットフォーム新メンバーたち

来島者「満足度向上」へ議論開始
新メンバー14人が初会合

 世界自然遺産の登録効果の最大化を目指す奄美市の公民会議「世界自然遺産活用プラットフォーム」の2024年度初会合が6日、奄美市役所であった。新たに選ばれたメンバー14人に安田壮平市長が委嘱状を交付。メンバーらは来島者への「満足度向上」をテーマに多様に議論し、登録効果を最大限に発揮するための政策を考えた。

 組織は、世界自然遺産登録を有効活用することを目的に、行政や観光に携わる有識者や関係者らでつくるメンバーが事業や政策を議論し、奄美市に提言する機関。今年3年目で、これまでに民間企業や家庭を含めて市域全体で行う「温室効果ガス排出量削減の取り組み」などが提言されている。

 24年度は自然遺産を目的に訪れた「来訪者の満足度向上」をテーマに、観光の高付加価値化などについて議論していく。会合にあたり安田市長は「多様な主体の議論によって効果を最大化することが目的。連携・協働の場として活用しながら、それぞれの立場で知見を頂きたい」とあいさつした。

 初回は座長が選ばれ、新メンバーらが自己紹介。事務局の市世界自然遺産課が主旨を説明し、ワークショップで提言策定に向けたアイデアや意見を出し合った。

 ワークショップでは、奄美市の現状と将来像を洗い出した上で、そこに潜むギャップから課題や解決策を各班が模索した。発表では「(訪日客への)多言語対応ができていない」「交通・アクセスが悪い」「(観光案内などの)総合窓口を設置すべき」「(旅行前の)事前情報が少ない」などの課題も上げられた。

 新座長で鹿児島大学法文学部講師の馬場武さんは「ワークショップを通じ、問題が立体化された。どこが問題でどこが解決の糸口か。これから具体的に絞っていきたい」と呼び掛けた。

 会合は全3回で、次回は10月30日。2月末の会合で提言案をまとめ、今年度中に市長に提出する予定だという。