和やかな雰囲気で高校生から勉強を教わる児童生徒たち
地元高校生たちが夏休みの宿題をお手伝いする寺子屋活動「TIERRA小屋」が8日、奄美市名瀬の長浜集会場を皮切りに始まった。高校生有志グループ「あんなこと(annacoto)」が企画し、先生役を務めた。メンバーらが小中学生の質問に答えたり、一緒にレクリエーションで遊んだりと、世代を超えての交流を楽しんだ。
グループは、大学進学で島を離れる前に「古里に恩返しを」と、地元高校生らが昨年4月に立ち上げた。メンバーは、奄美大島在住の1~3年生約30人が所属。「本気で遊ぶしまんちゅ高校」をテーマに、各地でイベントや奉仕活動に取り組んでいる。
寺子屋は、宿題を早く片付け、家の手伝いや遊びなどで長期の休みを有意義に過ごしてもらおうと初めて企画。同会場のほか、▽9日=住用体験交流館▽10日=本場奄美大島紬販売協同組合▽11日=笠利公民館▽12日=有屋公民館―での開催を予定している。
この日は、メンバー6人が訪れ、市内の小中学生20人が持ち寄った宿題に一緒に取り組んだ。一人でわからない、国語や算数、ドリルや読書感想文について質問したり、時にはマンツーマンで丁寧に教わっていた。
勉強の後は、クイズやゲームのレクリエーションで交流。和やかな雰囲気の中、他校の児童生徒とも交わりながら親睦を深め合った。
算数を教わった名瀬小4年の森瀬璃花さんは「かけ算の筆算を教えてもらった。たくさんの友達とできて楽しかった」と喜んでいた。
設立メンバーの一人でルネサンス高校(通信制)3年の元平結凪さん(18)は「全てがゼロからで準備などが大変だったけど、思っていたよりみんな真剣に取り組んでいてよかった」と笑顔で話し、「交流することで、高校生になった時に活動を引き継いでくれる子どもたちが出てくれれば」と思いを語った。