学生団体が中高校生向けに「教育旅行」ワークショップ

奄美について議論を交わす参加者たち(12日、奄美市名瀬のLiving AMAMI)

奄美の魅力を再認識
「島の好きなところ」などテーマに

 学生団体Meet My Amami(成瀬茉倫(まりん)代表=龍郷町出身)は12日、奄美市名瀬伊津部町のLiving AMAMIで教育旅行を考えるワークショップを開催した。島内外の講師5人を招き、地元の中高校生に奄美が持つ魅力について再認識してもらうとともに、旅行プラン作成に向けた知識を深める場となった。

 Meet My Amamiは奄美の持続的発展や文化・自然の継承を目指す学生団体。2021年に活動を開始し、奄美内外の大学生と高校生のメンバー20人が活動している。

 15人の中高生が参加したワークショップは、25年3月に予定の「島外の高校生に向けに教育旅行を提案するコンテスト」を前にしたプレイベント。Z世代(1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代)に向けたコミュニケーション作りや、各分野で活躍している「面白い大人」を招くことで高校生がグローカル(グローバル&ローカル)な視点を養うことなどを目的としている。 

 講師はNPO法人ZESDA代表の桜庭大輔氏、合同会社AMAMIバリュープロデュース代表の林晋太郎氏、奄美博物館の平城達哉氏、龍郷町役場企画観光課の川﨑光緑氏、唄者の平田まりな氏の計5人が担当した。

 ワークショップの後半で中高生たちは四つのグループに分かれて「島の好きなところ、変えたいところ」や「理想の島像とそのためにできること」をテーマに、大学生や講師も交えた議論を展開。「人の温かさ」や「いろんな種類のトンネルが多い」点がある一方で、「遊技場が多い」、「バスの運賃が高い」などの意見が挙がり、公共交通機関の充実や遊技場に代わる娯楽の場所の提供を提案した。その後、中高生らは「雨の日」、「地域」、「自然」、「海外・インバウンド」をテーマにしたグループを作り、今後は来年3月までにこのテーマに沿って奄美市、龍郷町、瀬戸内町、宇検村、大和村の5市町村の魅力やZ世代や時期に合わせた旅行プランを作成し、コンテストで発表する。

 参加した大島高2年の久保慧美(えみ)さん(17)は「最初は慣れなくて緊張したが、講師らの話を聞いて取り組むテーマが明確になった。雨の日の観光について提案したい」と語った。成瀬代表(23)は「多くの方に参加してもらい、充実があるものとなった。高校生らのサポートもしつつ、よりよいものを一緒に作り上げたい」と語った。

 Meet My Amamiのメンバーらは今後、オンラインを使用したチームミーティング、プラン作成の助言や各費用を支援する。また、同団体は高校生らの活動を支援するため、募金を呼び掛けている。詳細はメールmeetmyamami@gmail.comへ。