壁画を手掛けた大島高美術部員らと畑町内会長ら(13日、奄美市名瀬大熊)
奄美市名瀬の県立大島高校美術部(中嶋友美顧問)の2年生部員4人が7月末から手掛けていた壁画が完成し、贈呈式が13日、同町の壁画前であった。
壁画は縦横約1㍍の台座で、同町区画整理竣工(しゅんこう)記念碑近くにある。以前は同町のカツオ漁を模した金属製のレリーフ(素材を彫り込んだ立体的な彫刻)が飾れていたが、2019年以降の台風でそれがなくなり、空白のままだった。同町内会がさまざまな場所で壁画アートなどを手掛ける大島高美術部の存在を知り、今年7月24日に同部へ壁画作成を依頼。2年生の元颯佑(そうすけ)部長(17)、部員の林美緑(みろく)さん(同)、北原紘太郎さん(16)、川越陽詩(ひなた)さん(17)の4人が壁画用の絵の具を使い、全体のデザインを林さんが担当し、そのほかの部員も交代しながら作業を行った。
4人は地元の朝日中出身。自身の目で見てきたカツオの釣りや舟こぎ、コチョウランの花や夕日が水平線に沈む様子を描き、右上にはローマ字で「Daikuma」の文字を書き入れ、今月9日に完成させた。
贈呈式には畑秀義町内会長(71)、久野裕樹副会長、小勝やす子会計理事の3人が出席。
畑町内会長は、「町の特徴をよく捉えており、大熊の新たなシンボルができた。これからも大切にしていきたい」と語り、感謝として金一封を同部へ贈った。
元部長は「これまでとは違い、コンクリートでの作画。色がうまくつかず、炎天下での作業。地元の方の差し入れもあり、いい経験ができた」と語り、中嶋顧問は「こうした地域貢献が個人のレベルアップにもつながり、刺激を受けている。今後も依頼があれば協力していきたい」と話した。