耳で匂いで「夜の森」感じて

子どもたちは見て聞いて匂いをかぎ、夜の生き物たちを観察した(13日、大和村)


草の間に身を置くリュウキュウカジカガエルのオス

大和村フォレストポリス 夏休み自然観察会

 耳を澄ませて、匂いをかぎ「五感」で生き物を感じてみて――。奄美自然体験活動推進協議会主催、夏休み子ども自然観察会が12日夜、大和村の奄美フォレストポリスであった。親子ら21人が参加し、森の夜道を散策。環境省奄美野生生物保護センターの職員がガイドを務め、参加者たちは姿を見せない動物の鳴き声、匂いを放つ生き物など五感を使った観察を楽しんだ。

 2024年度「奄美群島国立公園ふれあい行事」の一環。「夜の生きもの探しinフォレストポリス」と題し、湯湾岳の麓にある約20㌶の森林公園、奄美フォレストポリスの散歩コース「水辺の広場」で開催。参加者たちは2班に分かれ、池や湿地帯に生息する生き物たちを探し歩いた。

 公園内を流れる住用川や池沿いを巡るコースではせせらぎ、虫や鳥たちの鳴き声に囲まれながら散策。リュウキュウカジカガエルの出迎えを受け、サツマゴキブリなど市街地では見られない昆虫類を複数発見。特徴的な匂いを放つサソリモドキにも遭遇したほか、この日は姿を現さなかったオットンガエルの「鳴き声」を耳にするなど、森の夜道ならではの自然観察を楽しんだ。

 奄美市名瀬の田畑信二さん(40)は「子どもたちに奄美の自然に触れてもらいたく応募した」と話し、娘の杏珠さん(9)は「イトトンボを見つけた。とても細かった」と笑顔。姪の竹澤菜々美さん(10)=福岡県=は「夜の森に入るのはたぶん初めて。脚が長いクモなど観察できて面白かった」と語った。