招魂社に仮設焼香台設置

招魂社に手を合わせる遺族会の会員ら(15日、和泊町)

戦没者悼む
和泊町遺族会

【沖永良部】和泊町遺族会(正会員1人、準会員110人)は15日、戦没者をまつる同町手々知名の招魂社に仮設焼香台を設置した。住民が次々と訪れ、戦没者を追悼した。

招魂社は1905(明治38)年、同町の南州神社境内に建立され、日清戦争や太平洋戦争の戦没者675柱をまつっている。

同町遺族会では、4年前から終戦記念日に合わせて招魂社に仮設焼香台を設置しているほか、町営ケーブルテレビを活用して戦争に関する絵本の読み聞かせを放送するなど、戦争の記憶を語り継ぐ活動を行っている。

午前9時、遺族会と同町社会福祉協議会の職員ら10人が焼香台を設置後、全員で手を合わせた。この日は、帰省していた高校生や地元の中学生らも訪れ、遺族会から招魂社について説明を受けていた。

和泊中3年の古波倉一哲さん(15)は「学校の授業でも戦争について学んだ。招魂社に手を合わせて、改めて戦争のない平和な世界になってほしいと思った」と話した。

遺族会の大脇克子会長(75)は「子どもの頃、母親と一緒に毎日のように招魂社に来て、花を供えていたのを覚えている。遺族会の会員も孫の代になり、戦争の記憶が薄れつつある。会員を増やし、活動を続けていきたい」と語った。