子どもたちとの打ち込み練習に汗を流す鈴木桂治さん(17日、和泊町研修センター)
おきのえらぶ島観光協会の德田英輔会長(左)から観光親善大使の委嘱状を受け取った鈴木桂治さん(右)(17日、知名町)
【沖永良部】パリオリンピック日本男子柔道の監督を務めた鈴木桂治さん(44)が17日、沖永良部島を訪れた。地元の子どもたちを対象に柔道教室を開いて交流したほか、おきのえらぶ島観光協会から観光親善大使に任命された。
鈴木さんは、知人の紹介で2018年に初めて家族で来島してから、たびたび島を訪れ、柔道教室を開いている。今回で3回目。
和泊町研修センターで開かれた柔道教室には、地元の児童生徒や大人たち約30人が参加。2人1組で打ち込み練習に汗を流した後、鈴木さんが体落としや足車などの技を実演した。得意としていた小外刈りも披露し、子どもたちに引き手や足の使い方をアドバイスした。
質問コーナーもあり、どうすれば自分から技を出せるかとの質問に鈴木さんは「自分から動くことで、自分の得意な技に入るタイミングができる」。大会で初めて優勝したのはいつかの問いに「初めて日本一になったのは高校3年の時なので、いまの日本代表の選手たちと比べると遅咲きだった。誰にでもチャンスがあるので諦めずに頑張ることが大切」と答えた。
沖縄から帰省していた和田希亜さん(11)は「初めて鈴木さんと打ち込み練習をした。緊張しなかったし、とてもやりやすかった」。4歳の頃から柔道をしている和泊中3年の山元勇昇さん(15)は「鈴木さんに教えてもらった小外刈りが私の得意技になっている。組んでみると、やっぱり体が大きい。島に来て毎回教室を開いてくれてうれしい」と話した。
この日は、知名町のおきのえらぶ島観光協会で観光親善大使の任命式もあり、德田英輔会長から委嘱状が贈られた。
鈴木さんは「子どもたちと柔道ができて良かった。柔道を通して多くの友達を作ってほしい。沖永良部島は、きれいな海や人の温かさなど良いところがたくさんある。この島の大好きなところを私なりに発信していきたい。来年も必ず来る」と語った。