5年ぶりに開催された2024年度「大島本島地区さとうきび生産振興大会」
奄美大島ではサトウキビ農業が盛んな奄美市笠利町を中心とした生産者などが参加しての「大島本島地区さとうきび生産振興大会」(大島本島さとうきび生産対策本部主催)が22日、笠利農村環境改善センターであった。5年ぶり開催。優秀農家表彰や講演、大会スローガン採択などがあり、収穫量に影響する夏植え面積の減少が続いていることから新植面積の維持・拡大、単収引き上げなどが呼び掛けられた。
生産者や関係機関など約100人が参加。同対策本部・本部長の安田壮平奄美市長、同・副本部長の竹田泰典龍郷町長があいさつ。2023年度の奄美大島の生産量実績が前期比3・0%減の2万7551㌧となったことを報告し、「サトウキビは奄美経済を支える重要な基幹作物。増産計画が着実に達成できるよう国庫事業を活用し、増収や経営安定に努める」と述べた。
県大島支庁の松藤啓介支庁長の来賓祝辞を代読した出口洋農林水産部長は、適期の栽培管理で現在降雨が少ない状況にあることから、定期的なかん水の必要性を指摘した。同農村整備課によると、決められた曜日に決められた水量を計画的に散水することで、キビが1週間に必要とする水を供給できることから「1週間に1回、10㌃あたり25㌧の散水が重要」を掲げている。
生育状況については島内にある大型製糖工場・富国製糖の有村成生社長が報告。8月1日現在の調査では三作平均(夏植え・春植え・株出し)で茎長が3・9㌢長く、本数も9・9本多く「生育は順調。今期の収穫面積は前期比3㌶減の531㌶で、夏植えなど新植面積が減少していることから新植を推進していただきたい。工場を維持するには原料3万㌧が必要」として単収の引き上げを求めた。
大会スローガンは、▽有機資材投入による土づくり・適期管理作業を徹底し生産量回復▽病害虫の早期発見と早めの防除▽キビ兼業農家を推進し、新規農家の確保―など5項目。JAあまみ龍郷支所さとうきび部会の牧野勝久副部会長が朗読した。
表彰された優秀農家は次の通り。(敬称略)
【生産量の部】奄美市=法人・㈱立神Works、個人・盛康隆▽龍郷町=一般社団法人 龍郷町地域振興公社
【単収の部】奄美市=元多悦雄▽龍郷町=碇山和也
【品質の部】奄美市=山野明人▽龍郷町=作下秀一
【富国製糖特別表彰】㈱立神Works