奄美の魅力的な加工食品をアピールするあまみ商工会と事業者ら
沖永良部島の生キクラゲと黒糖焼酎を売り込む和泊町商工会と事業者ら
多くの人でにぎわった会場の様子
【東京】江東区で21、22の両日開催された「第17回・アグリフードEXPO東京2024」に奄美群島から、あまみ商工会と和泊町商工会が出展した。両商工会と参加業者は黒糖焼酎や加工食品などをPR。商談を重ねるとともに群島の魅力をアピールしていた。
同イベントは、全国各地の農林水産物・食品を取り扱う588事業者(先)と、国産農林水産物・食品の調達に意欲のあるバイヤーをつなぐ展示商談会。日本政策金融公庫(日本公庫)が主催し、東京ビッグサイト東4ホール(江東区有明3丁目11の1)で行われた。
17回目を迎えた今回は、出店数が前回より123先の増加した。円安や物価高のほか、食料安全保障の観点からも国産農林水産物・食品の重要性が高まっている。21日には、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、一般社団法人全国植物検疫協会など参加した各機関の取り組みや、提供サービスなどを紹介するリレー講演が行われた。22日は、食品産業における国産原材料の利用促進と、産地連携の取り組みや日本食市場についての講演もあった。また、2日間にわたってインド、スペイン、メキシコなどの酒類輸入業者10社以上が参加しての輸出商談会も開催された。
食欲をそそる匂いと活気あふれる会場に鹿児島県から30先が出展。奄美群島からは、奄美市の合同会社・味の郷かさりがパッションフルーツやスモモのミキを、同・奄旨海房(あまうまかいぼう)魚匠は、夜光貝オリーブオイル漬けやカンパチの薫製などを出品。沖永良部島からは沖永良部酒類㈱が「はなとり」、「稲乃露」などの黒糖焼酎、(株)南国きのこ苑は生キクラゲを並べ、それぞれ試飲やつくだ煮の試食で来場者らに笑顔でアピールしていた。
あまみ商工会の岩廣伸一・経営指導員は「珍しいヤコウガイの加工品や、ミキなど数多くのバイヤーに知ってもらえた。これを機に本格的な取引につなげたい。手応えはあります」と振り返った。奄旨海房の諏訪しげみ代表は「ヤコウガイのオリーブオイル漬けは、パスタにもお薦め」と、レシピを紹介。味の郷かさりの土浜幸枝副代表は「パッション、スモモのミキは若い人にもお薦め」と話した。和泊町商工会の花輪富行・経営指導員は「キクラゲの菌床は、サトウキビの搾りカス(バカス)。肉厚ですよ」と紹介。ある製薬会社からキクラゲの成分について問い合わせがあったという。沖永良部酒造の德田英輔代表取締役は「試飲で黒糖焼酎のおいしさを多くの人に知ってもらえた。海外での販路拡大につながれば」と期待を膨らませていた。