報道陣の取材に答える玉城デニー沖縄県知事(24日、宇検村宇検)
宇検村で24日、沖縄県主催の対馬丸平和学習交流事業が行われ、同村の船越海岸では対馬丸慰霊祭が営まれた。ともに出席した沖縄県の玉城デニー知事が記者団の取材に答えた。
慰霊祭後に行われた主な一問一答は次の通り。
―初めて参列した慰霊祭に対する感想は。
「一つの節目の年にしっかりと宇検村の皆さんにお礼を申し上げ、平和学習の交流で参加している子どもたちに、平和の尊さを学んでいけるよう、協力していくことをお伝えするために来させていただいた。皆さんに会えて胸がいっぱい」
「戦争という政治の犠牲になることが、現代社会でも行われており、私たちはしっかり歴史を振り返る必要があると思う。今の国際社会や沖縄を取り巻く環境など含め、奄美と沖縄との心のつながりが、少しでも平和の波となり、広がってほしいと改めて強く思った」
―先島諸島の避難計画に対し、生存者の中には疎開と重ねる向きもあるようだが。
「国民保護の観点から、さまざまな訓練が行われることについて、当然、必要性も含めて政府がしっかり説明し、そのような状況にならないよう、平和のための話し合いをアジア近隣諸国に投げかけていくことも必要」
「ただ住民避難計画、シェルターを作る、有事が迫っているかのような偏った情報、広報だけでは、地域住民の不安は払拭(ふっしょく)できない。ある事態を想定したことでなく、避難を必要としない平和構築に向けての取り組みを、同時に進めていくことを強化すべき」
「沖縄県知事としては政府に対し、住民の不安を高めるだけでなく、何が不安につながっているか政府が真摯(しんし)に受け止め、不安に陥ることがない取り組みをするよう強く要請している」
―普天間基地への奄美大島の石材調達で沖縄・九州防衛局が調査を進めていると報道があるが。
「調査を止める手だては法律的にわれわれにはないが、沖縄県には外来生物を規制するための条例がある。現地における調査や報告を求めるもので、必要であれば県がその(調査の)場所に行き、状況を確認し対応させていただくことにもなる」
「いずれにせよ住民へ丁寧に説明し、採取するための計画づくり、(調達を)やることのみ強調するような調査であってはいけない。政府はしっかりと説明責任を果たすことに尽きる」