提供する「夜光貝の刺身」を手に喰い処・十兵衛の筑紫代表
提供店の目印となる魚型ステッカー
奄美群島近海でとれた魚介類を使った料理を島の飲食店らが提供する「島ぃゆグルメフェスタ」が、群島各地で始まっている。地元漁師らが水揚げした地魚にスポットを当て、新たな魅力発信や消費拡大につなげようと企画。和、洋、中華など多彩なメニューを提供する参加店を巡りながら、島ならでは海の幸が味わえる。
ご当地グルメの創出、魚食普及などを目的に県大島支庁が主催し、今年で3回目。企画・運営は㈱しーまが担当。主旨に賛同する飲食店と手を組み、地元魚介類を使ったメニューをそれぞれが開発し、提供していく。
参加店舗は26日現在、奄美大島22店、喜界島8店、徳之島11店、沖永良部島13店、与論島9店の計63店(うち新規34店)が登録。今年からは取り組み定着に向けて通年開催とした。各店では、地魚をはじめタコやイカ、エビや貝などの魚介類を取りそろえ、煮つけや海鮮丼、揚げ物やソテーといった店独自のメニューを単品や定食などで用意。客は「島の魚を食べつくそう」と書かれた魚型のステッカーを目印に店舗を訪れ、思い思いにグルメを楽しんでいく。
喜界町湾にある「喰い処・十兵衛」では、2001年に先代の店を受け継いだ二代目の筑紫康之さん(51)が、昼は定食、夜は居酒屋として腕をふるっている。創業当初から「地産地消」をポリシーに、地元食材を使った料理を中心に提供。今年は、島ぃゆグルメとして「刺身盛り合せ」と「夜光貝の刺身」の2品を準備した。
こだわりは、近くでとれた魚介類をその日のうちに漁師から買い取り提供すること。筑紫さんは「すぐ食べるので特に青物は活きが良く、食材それぞれの歯ごたえも楽しめる。他では食べられない新鮮な魚介料理を味わって」と薦めている。
周知チラシは各観光施設などで配布。島ぃゆグルメの詳しい内容は、特設のウェブサイトで確認できる。同庁林務水産課の担当者らは「まずは地元の魚を知ってもらうことが大切。奄美でとれる新鮮でおいしい地魚を楽しんで」と呼び掛けている。