津江さんの作品(大地のささやき)=案内状はがきより
【東京】奄美市名瀬出身の日本画家、津江三千子さん(旧姓重信=75)の絵画展が中央区銀座で2年ぶりに開催される。津江さんは「まだ暑い日が続きますが、熱中症に気を付けながら銀ブラを兼ね、ぜひともご高覧いただければ」と話している。
「ささやくものたち2024」と題した絵画展が開かれるのは、銀座幸伸ギャラリー1階(中央区銀座7の7の1)で9月2日(月曜)から8日(日曜)まで。津江さんの絵画は、現実の風景をそのまま写生するのではなく、心の中に思い浮かべたり、刻まれたりした心象風景をカンバスに描く抽象画。金箔などを巧みに使った技法で、自然との共存や命の尊さ、美しさをモチーフとした作品を多く手掛けている。
古書店で偶然手にした「平家物語」をきっかけに金箔、銀箔を使った装飾に引かれ53歳にして武蔵野美術学園に入学。画家への扉を開いた。これまで独立展入選、フランス・パリ伝統のサロン・ドトーヌ展入選8回、第47回ベルギー・オランダ美術賞大賞など国内外での評価も高い。
今回は、半年間かけて完成させた新作の「大地のささやき」(F130、194㌢×162㌢)を出展する。津江さんによると、作品は月光に照らされる柱状節理と滝の水、それにサガリバナを入れて幻想的に描かれたもの。「一夜限りで咲いて散るサガリバナの神秘的な存在と柱状節理のハニカム構造を通じて、生命の尊さ、力強さ、美しさを表現したかった」という。津江さんが銀座で個展を開催するのは、2年ぶりで7回目。他にも大作1点と小品など魅力的な20点が展示される予定だ。
時間は午前11時から午後6時まで(最終日は午後4時まで)管理事務所電話03・3572・3888