喜界町赤連地区の空き家。強風により建物が全壊した(28日午前11時過ぎ)
高台にある喜界中でも被害
喜界町
非常に強い台風10号の暴風域に入った喜界町では住民により家屋被害などが目撃されている。海抜18㍍と高台にある喜界中学校では体育館と校舎間の渡り廊下の屋根が吹き飛ぶ被害が確認された。
赤連集落の60歳代男性は「27日の午後8時頃から急に風が強くなり、知り合いが居住する民家の屋根が飛ばされたり、木造建ての飲食店の屋根がなくなっていた。建物が全壊するなど家屋被害は空き家が多いようだ」。基幹作物のサトウキビについては「かなり伸びている夏植えで強風による被害が出ている。倒伏のほか、折れているキビもあった。潮風害も心配」と語った。復旧については「何よりも停電の復旧を最優先で進めてほしい。被害状況など情報の把握もできない」と訴える。27日午後3時頃から停電するようになったという。喜界町では28日もほぼ全域で停電が続いた。
喜界中の藤原隆哉校長は「27日午前中から風がどんどん強くなる一方で、昼前にとても強い風が吹くようになった」と振り返り、危険性から生徒の部活動も中止にしたという。
強風により渡り廊下の屋根(鉄板)が吹き飛んだほか、体育館の建物の一部でも破損などの被害が確認された。9月2日から2学期が始まるが、藤原校長は「風雨が収まったことから28日午後から一部職員によって片付けなどの作業を行っている。通常通り学校を再開できるのではないか」と語った。