受付カウンターにはチェックインを待つ行列ができた(29日、奄美空港)
台風10号の影響で、27、28の両日閉館措置が取られていた奄美空港と喜界空港のターミナルビルは29日午前から再開した。奄美空港のカウンターには、朝早くから東京や大阪方面に向かう観光・ビジネス客が列をつくった。搭乗客は、チェックインやチケット変更の手続きを終え荷物を預けると、一様にほっとした表情を見せた。台風上陸で風雨の影響が出ている鹿児島空港、福岡空港への発着便は3日連続全便欠航となった。30日も欠航となる予定。
奄美空港には、午前8時頃から荷物を手にした人の姿があった。午前は、ピーチ・アビエーションの成田空港行きやJAL(日本航空)の喜界島、徳之島、与論島行きが定刻通り出発。混乱は見られなかった。
午後になると、0時35分発のJAL大阪(伊丹)行きと同1時45分発ピーチ大阪(関西)行きの出発時間が重なったことに加え、キャンセル待ちや臨時便の問い合わせをする人が重なり、ロビーには人が増えていった。
到着便の遅れによる出発時間の変更が告げられるたびに、ため息をつく人の姿も見られ、台風の中での滞在を余儀なくされた人に疲れの色がにじみ出た。
26~29日の日程で観光に訪れたいう大阪の松尾和華(かずは)さん(27)と福戸山悦子さん(27)は「27~28日はホテルに缶詰め状態。加計呂麻島に行く予定だったが残念。まだ帰りたくない」と名残惜しそうに話した。
60歳代の夫婦は「27日が欠航となり、延泊を余儀なくされた。30分くらいの停電が2、3回あったが、ホテルの自家発電で対処してもらいエアコンも使えたので苦労はなかった。いい経験になった」と話した。
勤務先の福岡から帰省していた瀬戸内町管鈍出身の昇隼人さん(40)は「伊丹を経由して新幹線で福岡へと考えたが満席だった。計画運休のことも考慮しないといけない。30日の福岡便を待つしかない」と、搭乗を諦め、レンタカーの手配に追われていた。
空港のある奄美市笠利町は午後1時頃まで停電した。同空港では、朝から非常用電源を使って営業し、復旧を待って通常電源に切り替えた。非常用電源で3日間の運用が可能だという。