天城町農業センター研修生入退所式

天城町農業センター研修生入退所式(証書を手にした後列3人が修了者、前列2人は入所者)=30日、同町瀬滝

「網目の高級メロン作れた」町を支える農家に

 【徳之島】2024年度天城町農業センター研修生入・退所式(町主催)が30日、同センターであった。Iターン移住者2人を含む3人が施設園芸品目栽培の基礎など1年課程の研修を修了、「天城町に貢献できる農業者に」など抱負を述べた。新たな入所者もIターン者1人を含む3人(定員)。95年度以降の入所者総数は67人(修了者65人)となった。

 同町農業センター(同町瀬滝、元県奄美農業総合センター)は、95年に町が管理委託を受けて農業研修生の受け入れを開始。02年度には県が全施設を無償譲渡。新規就農者たちを優先した1年間の農業研修(報酬あり)後、同センター内のビニールハウスなど営農施設を2年間無償で貸与。希望者にはさらに町営の園芸施設を最長3年間、安価で賃貸して自立・営農安定化を後押ししている。

 晴れの修了証書を手にした23年度(23年9月1日~24年8月31日=野菜年度)修了者たちは、▽貞山蓮斗さん(22)=天城▽杉岡絵見子さん(52)=浅間、東京都出身▽長谷川頼人さん(40)=当部、愛知県出身=の3人。メロンやパッションフルーツ、マンゴー、ミニトマトなど栽培技術を習得。いずれも引き続き同センター施設を借用(無償)して新規就農者となる。

 森田弘光町長は冒頭あいさつで「今後も町や県(徳之島事務所農業普及課)でサポートしていきたい」と激励。修了者たちは「まだまだ教えてもらいながら天城町を支えられる農家になりたい」(長谷川さん)。「詳しく分からなかった園芸品目について学べて感謝。町と自分のためにも頑張りたい」(貞山さん)。「あっという間の1年だった。一番うれしかったのは、網目の高級メロンが私にも作れたこと。無農薬・無化学肥料で最初はメロンとパッション、そしてサトウキビにも頑張ってみたい」(杉岡さん)とお礼と抱負を紹介した。

 新たな入所者は▽張英(ちょうえい)さん(41)=子の山海留学で三京にIターン、台風の影響で欠席=をはじめ、大阪からUターンの▽富良治ん(44)=兼久▽三寶滉平さん(33)=瀬滝=の3人。「期待と不安でいっぱいですが、1年間の研修で経験値を上げてより良い作物が作れるよう精進したい」(三寶さん)など抱負を述べた。