県内外の事業者が集まった「アイランドゼブラカンファレンス」(2日、知名町)
【沖永良部】「アイランドゼブラカンファレンスin沖永良部島」(同実行委員会主催)が2日、知名町フローラル館であった。収益を確保しながら地域課題の解決に取り組む県内外の事業者が参加し、離島において持続可能な企業を創出するための方法を考えた。
地域の課題解決と同時に経済成長も実現する「ローカル・ゼブラ企業」の創出と育成を目的とした中小企業庁による「24年度地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証事業」の一環で実施された。イベントは2日間の日程であり、初日は講演や事例発表、2日目は島内の農場や子育て施設の見学などが行われる。
あいさつで実行委員長の山下賢太さんは「島々の可能性に目を向け、課題ではなく可能性に挑戦していく人が増えてほしい。その最初の一歩として沖永良部島から始めていきたい」と述べた。
事業アドバイザーとして参加した㈱umari代表取締役の古田秘馬さんが講話。同社が香川県三豊市で取り組んでいる讃岐うどんの文化に触れる宿泊・体験プロジェクトなどの事例を紹介し「これまでは東京にあるものを持ってくることが価値だと思っていたが、そうではなくこの場所でやっていることを学びたい人がたくさんいる。離島でも同じことができる」「これからの地域のブランドは取り組みそのものが話題になる。過去を見せる感動ではなく、未来の可能性を語ってもらえる関係を作ることが重要になる」と述べた。
事例発表で、香川県三豊市で乗り合いタクシー事業を展開している「暮らしの交通㈱」代表取締役の田島颯さんは「どれだけたくさんの目的地があって、多くの人が移動したいと思う動機付けが生まれる瞬間があるのかが大事。その結果、移動するというアクションにつながる。どうしたら町の人が移動したくなるのか、移動したいと思う目的地が生まれるのかを考えながら会社として動いている」と語った。
このほか、参加者がグループに分かれてワークショップを行い、身近にある地域課題と実現したい島の未来について意見を交わした。