与論町やJALなど4者が覚書調印

覚書に調印した左から武井真剛代表取締役社長、田畑克夫町長、川畑充男代表理事、関谷岳久部長(4日、与論町ゆんぬ体験館)

持続可能な観光地づくりへ
「新たなフェーズに挑戦」

 【沖永良部】与論町とヨロン島観光協会、日本航空(JAL)、日本エアコミューター(JAC)の4者は4日、同町の持続的な観光推進に関する覚書に調印した。JALとJACは、町内の宿泊事業者の国際認証取得や旅行商品の造成などで協力しながら、町と観光協会が進める持続可能な観光地づくりを後押しする。覚書の有効期間は2027年3月末まで。

 同町は、オランダの国際的な認証機関「グリーンデスティネーション」から、自然環境の保全や星空を観光資源として活用する取り組みが評価され、2021年と23年に「世界の持続可能な観光地」トップ100に選ばれた。今年度は、観光庁の「持続可能な観光推進モデル事業」に採択され、観光地づくりに必要な財源を確保するための実証実験などを進めていく。

 JALでは、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)にエアライングループとして世界で初めて加盟。今年度から国内各地の宿泊施設や観光地がGSTC国際基準に基づく第三者認証を取得できるよう、コンサルティングやトレーニングプログラムを提供している。

 覚書による協力事項は▽町と観光協会による国際認証取得等を通じた持続的な観光地推進事業の推進ならびにJALによる事業者向け国際認証基準に基づく第三者認証の取得支援▽町と観光協会による持続可能な観光地実現に向けた安定的な財源確保に向けた取り組みと、その取り組みへのJALによる支援▽JALならびにJACによるJALグループのアセット(資産)やノウハウを活用した町の地域活性化に資する魅力的な旅行商品の検討―など。

 同町のゆんぬ体験館で調印式があり、観光協会の川畑充男代表理事は「新たなフェーズへ挑戦し、島の環境や文化、島民の暮らしに配慮した責任ある旅行者の誘客につなげたい」。JACの武井真剛代表取締役社長は「ヨロンマラソンは、リピーターが多く、まさに持続可能な観光の取り組みだと言える。与論島の美しい自然を守りながら、運航路線を維持し続けることを約束する」。JAL関係・つながり創造部の関谷岳久部長は「日本の多くの離島において地域の活性化が課題になっている。与論町との取り組みを良いケースにして全国に展開していきたい」と述べた。

 田畑克夫町長は「今回の調印で新しいスタートラインに立つことができた。島の素晴らしい宝である自然や文化、人々の暮らしを次世代につなげていく仕組みを作りたい」と期待を込めた。