奄美大島を初めて視察した盛山正仁文部科学相(4日、奄美市名瀬)
教育活動報告会に参加した大島高校の生徒ら
盛山正仁文部科学相は4日、奄美大島を視察で訪れ、奄美市名瀬の県立大島高校(貴島邦伸校長、生徒642人)の教育活動報告会に出席した。生徒たちは奄美群島の全高校ほか大学、企業と取り組む「奄美群島高校探究コンソーシアム」など他機関、地域の連携を生かした各活動内容を発表。盛山文科相を交えた座談会も開かれ、離島の教育環境の現状が伝えられた。
盛山文科相(兵庫県西宮市出身)は両親が天城町瀬滝出身。1977年、旧運輸省に入省。2005年に衆院選挙に初当選し、現在5期目。現職の文科相による奄美群島の視察は2021年5月の萩生田光一元文科相以来。
奄美大島・徳之島の来島は離島のICT教育や人口が減少傾向にある地域の教育現場、研究施設の視察が目的。同校は今年4月、デジタル人材の育成強化を目的とする文科省の「DX加速化推進事業」指定校に採択された。
報告会には文科省、県教育庁の職員らが出席する中、生徒16人が各取り組みを発表。今年3月に設立した同コンソーシアムほか、世代間交流、健康問題、外国人観光客による経済効果など各課題の探求、解決に向けた取り組みを報告。座談会では盛山文科相と「この島の魅力、日本の魅力とは何か」をテーマに意見を交換した。
同校の視察を終えた盛山文科相は「大学がない奄美で、高校が大学や企業、研究所などと共同体を築き、地域全体の発展を目指す取り組みに驚いている」と感想を述べた。
前年度まで生徒会長を務めた3年・花田心優さん(17)は「大島高校が誇る様々な取り組みを伝えられた貴重な機会。大臣からは自然や伝統を大事に活用して欲しいと言われ、改めて奄美の環境を大切にしたいと考えた」と話した。
貴島校長は「発表の機会が少ない生徒の取り組みを評価していただきうれしく思う。ICT環境などさらなる充実を図り、海を越えた他校との交流を図っていきたい」と語った。
盛山文科相は4日、同校ほか奄美博物館(同市名瀬)、東京大学医学研究所奄美病害動物研究施設(瀬戸内町)を視察。5日は徳之島入りし、徳之島町と伊仙町の小中学校、天城町役場を訪問予定。