地面を覆い尽くし、モクマオウ樹上も侵略している外来種「ポトス」の駆除作業に汗を流した=3日、伊仙町喜念浜
【徳之島】伊仙町立面縄中学校1年生20人がこのほど、同町環境教育プログラム事業の一環で景勝地・喜念浜で外来種「ポトス」の駆除作業を体験した。人気のある観葉植物の一つだが、自然界に逸出すると繁殖力の強さから他植物の生育を妨げる厄介者。生徒たちは、汗を流しながら現状を体感した。
ポトスはサトイモ科ハブカズラ属、東南アジア原産で、和名・オウゴンカズラ。県は外来種リストで遺棄・導入・逸出防止など重点的な普及啓発が必要な「重点啓発種」に選定している。
喜念浜(奄美群島国立公園第2種特別地域)のモクマオウ防風林帯にも侵入して広い範囲で爆発的に繁殖。剪定(せんてい)枝などの投棄が原因と見られ、定期的に駆除・撤去作業が行われているが、成長が早くいたちごっこの状況にある。
面縄中1年生たちの駆除作業体験は、町きゅらまち観光課職員やNPO法人徳之島虹の会会員らが安全監視を含めサポートした。「ポトスなど外来種の剪定枝などを野外に捨ててはいけません」など解説も聴きながら約2時間、長くて引っ張るとちぎれやすいポトスと格闘した。
生徒の一人、幸山真姫(まいな)さんは「外来種を見つけたら一本でも抜いて広がらないように協力したい。(外来種マップ作りでは)学校周辺にも多く、在来植物に悪影響を与えていることも分かった。この現状をいろんな人たちに知らせたい」と話した。
同町環境教育プログラム事業は今年度、▽海の生き物(面縄小)▽校区の外来種パンフレットを作ろう(面縄中)▽地域の魅力創出「世界自然遺産と観光利用」(伊仙中)▽犬田布岳登山・その価値を伝えよう(犬田布中)▽人間社会と野生動物(昆虫)の関わり(糸木名小)―をテーマに町内2小・3中で実施中。来年度は町内全小中を対象に実施予定という。