行政の取り組みや将来像について熱く語る安田壮平奄美市長
奄美市生涯学習講座「奄美の将来像を学ぶ」第5回講座が7日、同市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であり、安田壮平市長が政策や将来へ向けた取り組みなどについて講演した。講座には約50人が参加。安田市長は、行政主導の「官民連携」ではなく、民間が主導し活躍する「官民共創」の重要性を訴えた。
安田市長の講話は、経済発展と人口減少対策をテーマに、演題「人づくりと『志』」。前半は、市長自身の半生について話し、学生時代や社会人時代、政治の世界に入るきっかけ、そして、奄美大島及び奄美市への熱い思いを語った。半生を振り返り、祖母の思い出話では声を詰まらせる場面もあった。
後半は、政策や役所の取り組み、進める改革など、将来へ向けた構想を講話。「行政の仕事は、全て〝まちづくり・ひとづくり〟につながっている」と話し、将来像として、「民間が稼いでこそ地域経済はよくなる。『官民連携』から『官民共創』へ」と語った。
今後進めていく政策として、▽官民連携・官民共創を進めた「公共施設等民間提案制度」▽稼ぐ力を生み出すための労働力確保、観光・物産の高付加価値化▽子育て支援の充実とともに、シニアが安心して生活できる地域づくり―を掲げた。
人口減少対策では、子育て・移住支援、郷土教育の充実など、「人口減少に歯止めを掛ける・速度を緩める」、スマートシュリンク(賢い縮小)など「人口減少を前提に、活力を維持する」とした。
そのほか、国内の完全離島(橋などでつながれていない離島)では面積2位、人口1位や、世界自然遺産を有する国内唯一の市など、奄美大島及び奄美市の特徴を挙げ、将来へ向けた可能性を訴えた。
講師で、団塊世代がつくる無償ボランティア「奄美のトラさん」こと花井恒三さんは「市長の講演に多くに人が関心を持ち、参加してくれてうれしい。市長自身のことや奄美市が目指すものを分かりやすく話してくれた」と喜んだ。