会場のしもきた克雪ドームでポスター発表するサンゴ留学生(提供写真)
口頭発表会場で(左から)大森さん、樋口さん、井さん(提供写真)
国内のジオパーク認定地の関係者らが交流する日本ジオパーク全国大会が8月30日~9月1日の3日間、青森県の下北ジオパークであった。隆起サンゴ礁の地形・地質で認定を目指す喜界町の喜界高校サンゴ留学生3人らが関係団体として初参加。生徒らはポスターや口頭発表で研究成果をプレゼンし、全国のジオパーク関係者に「サンゴの島」の魅力を伝えた。
発表したのは、同高2年の井祇鳳さん、大森彩音さん、樋口美憂さんの3人。サンゴ留学は2023年度に始まった喜界町独自の制度で、現在は1・2年生の12人が在籍。寮生活で高校に通いながら同町にある喜界島サンゴ礁科学研究所で地域資源を生かした探究活動に励んでおり、3人が代表で参加した。
大会では、「地域資源を活用した研究学習・サンゴ留学の取り組み」と題して、3人が聴衆を前にスライドを使って留学生活や活動について発表した。ポスター発表では、約150の展示に交じって、それぞれが取り組む研究をパネルにして発信。足を止める来場者に背景や手法、知見などを説明し、質問にも快く答えた。
留学での取り組みを発表した井さんは「喜界島の今後やジオパーク認定についてたくさんの人と話し、考えを深めることができた」と振り返り、サンゴの色と蛍光、光合成活性をテーマに伝えた大森さんは「多くの人が自分の研究テーマに興味を持ってもらうなど、すごくやりがいを感じた」と話した。気候に伴うサンゴの成長速度を調べた樋口さんは「他の地域を知ることで、喜界島にしかない誇るべきものに気付くことができた」と貴重な体験を喜んだ。
期間中、生徒らは恐山や大間崎といった下北ジオパークのジオサイトを見学。宿泊先の下北自然の家では、ユースセッションを通して他の地域の若者との交流も深めた。
喜界町は日本ジオパーク認定に向け、来年4月の申請書類提出を目指している。