物資を搭載し、離陸する奄美アイランドドローンの無人機(12日、瀬戸内町古仁屋)
瀬戸内町の奄美アイランドドローン(AID、登島敏文代表取締役)は12日、同町給食センターからの依頼を受けて与路島にドローン(無人航空機)を使用した物資の臨時輸送を実施した。定期便以外で物資を輸送するのは今回が初めて。
AIDは瀬戸内町とJAL(日本航空)の共同出資で2023年11月に設立。今年2月から同町の手安ヘリポートを発着点に請島・与路島の二次離島へ無人航空ヘリによる輸送サービスを隔週の木・金曜日に実施している。離陸したヘリの操縦は東京のJAL本社内の飛行機の運航を管理する部署(OCC)で遠隔操作している。
台風の影響で船舶の欠航等も予想されるため、町給食センターが食材搬送を10日に同社に依頼。給食食材や調味料、食用油、新聞などを3回に分けて与路島へ送り届けた。
町給食センター主幹の有田伸之さん(61)は「荷物の中には給食で出される冷蔵品もある。迅速に食材を届けることができてよかった。給食を食べる子どもたちの笑顔が目に浮かぶ」と語った。
AIDの花里隆二さん(53)は「身の回りにあるモノやサービスを、非常時にも役立てることができるようにする『フェーズフリーモデル』として、今回初の臨時便運航を実施した。東京の本社から人員を派遣し、2日間の短期間で運航につなげた。瀬戸内町の皆様に貢献できるよう、事例を積み重ね、この町がフェーズフリーモデルの先進事例として、他の地域にもモデルケースとして展開していきたい」と話した。
同町の船舶交通係によると定期船の「せとなみ」は海上荒天のため、与路島に10、11の両日、船が接岸できない状況が続き、12日は条件付きで請阿室を抜港。池地、与路港にそれぞれ接岸でき、物資を届けたという。