くねくねと「天に昇る双竜」のごとく、2株同時に豪快な花茎を伸ばしたリュウゼツラン=13日、天城町当部
まるで「青龍」の雰囲気も
【徳之島】世界自然遺産エリアに連なる大自然に抱かれ、国指定特別天然記念物・アマミノクロウサギが民家の庭先にも遊びに来る徳之島・天城町の「癒やしの里・当部(とうべ)」。同集落入り口のポケット公園では、2株のリュウゼツラン(竜舌蘭)が、「まるで天に昇る双竜」状の豪快な花茎を同時に伸ばし、住民らを仰天させている。
リュウゼツラン(アガベ)は全世界に200~300種が存在するといわれる。当部集落のそれは「癒やしの里」づくりを提唱者・旗振り役の松村博光さん(77)=NPO法人クロウサギの里代表=が約30年前から実生で育苗し、園内に定植した。
竜の舌を思わせる多肉質の葉が放射状に幅約5㍍にまで成長。その中央部からは2株同時に、天空に昇るかのようにくねくねと伸びた花茎は高さ約6㍍(最大径約20㌢)=14日現在。
「もともとは約50年前に沖縄の友人が贈った親株からの実生苗。品種は不明」。花茎の豪快な雄姿に「くねくねと双竜のごとく天高く伸びた姿にはびっくり。数十年に1度しか咲かないといわれる中、辰年(たつどし)にあやかったようで縁起が良いと思う」と松村さん。
現象に気付き、SNSで発信したのは、家族4人で愛知県から移住6年目の太田はるかさん(49)。「くねくねと天に昇るような、まさに竜の感じですごい。全国で(開花が)話題になっているが、これで〝当部愛〟がさらに強くなりました」とにっこり。
同集落の武田久夫区長(79)、わか子さん(77)夫妻の「昇竜の〝たてがみ〟につかまって背中に乗って天国までではなくて、天空から眺めてみたい気分。何もかも素晴らしい当部にぜひ遊びに来てください」と声を弾ませた。