県議会9月定例会は18日から代表質問に入り、同日は自民党の柴立鉄平議員=鹿児島市・鹿児島郡区=、藤崎剛議員=同=が登壇した。防災・減災対策で国の見直し・検討や能登半島地震から得られた知見などに基づき、避難所等の生活環境の向上へ県地域防災計画の見直しが説明されたほか、県の国民保護計画に基づいた離島住民の避難訓練が今年度は来年1月、沖永良部島での実施が報告された。
桑代毅彦・危機管理防災局長が答弁。防災については、能登半島地震の被災地派遣職員に実施したアンケート調査から「避難所の情報を一括管理できるシステムの必要性や応援職員同士の業務引き継ぎの円滑化等の意見が得られた」として今回、見直された国の防災基本計画や検討等を踏まえて「本県の地域特性などを勘案しつつ今年度末をめどに避難所等の生活環境の向上について県地域防災計画の見直しを行うほか、能登半島地震を踏まえた各種防災訓練の実施など防災計画のさらなる充実強化に取り組む」と述べた。
「南海トラフ地震臨時情報」の発表を受けた対応では、市町村の地域防災計画で「南海トラフ地震の防災計画に関する記載が十分でない等の課題もみられた」と報告。県としてはSNSや県ホームページ、県民などを対象とした防災啓発研修会で臨時情報の内容などを周知するとともに、市町村に南海トラフ地震に関する記載充実に努めるよう改めて依頼したとした。
県の国民保護に関する答弁もあった。計画に基づき2006年度からテロ等の緊急対応事態、22年度と23年度は武力攻撃予測事態を想定して離島住民の避難に関する訓練が屋久島町で国や熊本県と合同で実施されたが、今年度は沖永良部島で国と共同で実施。日程は来年1月28日を予定している。桑代局長は「地域特性を踏まえた訓練を繰り返すことで、国民保護計画の実効性を高める取り組みを推進していく」と述べた。
緊急時に自衛隊や海上保安庁の利用に備えて国が整備する「特定利用空港・港湾」は、奄美群島の徳之島空港・名瀬港・和泊港を含めて県内2空港・6港湾が指定されたが、木佐貫浄治・土木部長は、国に対し▽民生利用を主とした取り組みの順守▽引き続き県や地元市町への丁寧な説明及び情報提供▽民生利用及び災害時の迅速な対応に資するインフラ整備を着実に進めるとともに、地元負担の増とならない▽自衛隊、海上保安庁運用の訓練の際、安全確保に万全を期し、万が一、事件・事故などが発生した場合は速やかに情報提供と再発防止に必要な対策を図る―などを要請したと報告した。
県警不祥事に関しては公益通報制度が取り上げられた。野川明輝・県警本部長は答弁で「県警察の規律を維持し、適正な組織運営をする上で有用な制度と認識している」と述べるとともに、今年に入っての受理件数(8月末現在)は2件と説明。一連の不祥事に関係する事案ではないとした。野川部長は制度の概要、通報窓口の正しい認識が不足している職員がいるとして「何が公益通報か、どうすれば公益通報にあたるか周知していく」と述べた。
19日も代表質問がある。