奄美大島世界遺産センター前で行われた交通事故防止合同キャンペーン
「いきもの注意マップ」には、入場者が感じた危険箇所がシールで示されていく(20日、奄美大島世界遺産センター)
環境省と奄美署は20日、奄美市名瀬住用町にある奄美大島世界遺産センター前で、アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン(15日~11月15日)と秋の全国交通安全運動(21~30日)キャンペーンを合同で実施した。啓発パンフレットや反射材、傷病個体の搬送に使うレスキューボックスの案内チラシなどが入ったエコバッグ100セットを配り、「人にも動物にもやさしい運転をお願いします」と呼び掛けた。同センターでは、「あまみのいきもの注意マップ」などの特別展示が行われた。
アマミノクロウサギの交通事故は、活動が活発になる9月から12月に急増、全体の4割以上を占める。環境省は、毎年この時期に夜間の安全運転などを訴えるキャンペーンを行っており、この日は関係機関から約30人が参加した。
環境省によると、交通事故件数は増加傾向にあり、2021年83件(奄美大島65件、徳之島18件)、22年148件(107件、41件)、23年176件(147件、29件)と推移。24年は19日までに100件(76件、24件)=速報値=が確認されている。
同センターでは、交通事故多発地点や危険箇所を示す「みんなで作ろう!クロウサギ注意マップ」などの特別展示が行われた。来場者が、希少種を見た場所や危険と感じた場所にシールを貼って〝見える化〟、ホームぺージ上で公開する。
奄美群島国立公園管理事務所の鈴木真理子希少種保護増殖等専門員(42)は「笠利方面でアマミヤマシギ、リュウキュウコノハズクが事故に遭うケースも増えている」と話し、「カーブを曲がったら道路の真ん中にいたなどという声も聞く。とにかく、ゆっくりゆっくり走ってほしい」と訴えた。
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21日から始まる秋の全国交通安全運動のキャンペーンを行った奄美署は、歩行者の反射材着用や、夕暮れ時以降の早めのライト点灯などを呼び掛けた。
同署管内での19日現在の交通事故は、人身3件(前年比16件減)、けが37人(同15人減)といずれも減少しているが、死者は2人増え3人となっている。