地元中学生たちと共演した神村学園中等部・高等部吹奏楽部の部員ら(23日、奄美川商ホール)
舞台上で紹介を受ける奄美出身の(左から)米山さん、橋口さん、内野さん、川内副部長、東さん
いちき串木野市にある神村学園(神村慎二理事長)の中等部・高等部の吹奏楽部(部員100人)は23日、奄美市名瀬の奄美川商ホールで奄美特別演奏会を開催した。奄美の朝日中、名瀬中(奄美市)と龍南中(龍郷町)の3校の吹奏楽部も加わり、吹奏楽とマーチングで豊かな響きをホールに充満させ、観客を魅了した。
同学園によると吹奏楽部は演奏技術を高め、マーチングで音楽と演技の一体感を追求しており、コンクールなどの大会以外にも、県内各地でのイベントや小・中学校での音楽鑑賞会を年間約70回活動しており、奄美での演奏会は約20年ぶりだという。
奄美特別演奏のきっかけは朝日中(奄美市)在籍時に全国吹奏楽コンクールに出場した同部の川内那菜副部長(18)がテレビ番組の密着取材を受けたことが縁となった。学園側も奄美での演奏を企画していたが、コロナ禍を経て、関係者の協力もあり、今回の特別演奏会につながった。同部には川内副部長以外にも名瀬中出身の東穂乃香さん(2年、バスクラリネット担当)、内野希望さん(同、トランペット担当)、橋口碧衣さん(1年、ホルン担当)の3人と亀津中出身の米山くるみさん(1年、トランペット担当)が在籍している。式の前から会場には長蛇の列ができ、約1500席ある同ホールが満員になった。
演奏会で神村理事長は「学園の吹奏楽部は学校の中で大活躍している部活。行事はもちろん、今夏の甲子園では応援の後押しをした。奄美での演奏会に際し、船が出港するかどうか心配だったが、無事に奄美に来ることができ、部員たちも地元の中学生との演奏を楽しみにしている。また多くの方に来場していただき、感謝したい。最後まで演奏とパフォーマンスを楽しんでほしい」などとあいさつした。
演奏会は3部制で、マーチ「スパイラルタワー」で開幕。川内副部長らや奄美群島出身者の紹介もあった。2部ではゲスト演奏として朝日中、名瀬中と龍南中が演奏。最後には3校と同学園の吹奏楽部を加えた合同演奏があり、THE BOOMの「島唄」とT-SQUAREの「宝島」を合同演奏した。3部ではマーチングステージを展開し、最後は出演者全員で「翼をください」を演奏と合唱で締めくくった。
ステージの進行役などを務めた川内副部長は「帰省を兼ねた演奏会で島の皆さんに吹奏楽を届けることができ、島にも帰って来られたのは最高の機会」と語り、「中学卒業と同時に島を離れて、3年間ここまでこれたのは島で応援してくれる方や両親のおかげ。15年間生まれ育った島の皆さんに対して最高の音楽を響かせ、楽しんでもらおうという思いで演奏した。足元の悪い中、満席になったホールを見て感激した。来場してくれた方にも感謝したい」と語った。