喜びの入賞者たち(ムスヤ葉子さんは左から3人目、久原卓也さんは右から2人目)
会場をフィナーレへ誘う、唄者の中尾聖子さん(中央)、森田美咲さん(左)、藤田晶さん(右)
【東京】関東奄美秋まつり「第11回奄美島うたのど自慢大会ⅰn Tokyo」(主催=東京奄美文化交流協会・奄美島うたのど自慢実行委員会)が15日、目黒区の目黒区民センターホールで約250人を集め開催された。第一部「シマ唄の部」には17組がエントリー、静岡県出身のムスヤ葉子さんが「野茶坊節」を熱唱し優勝。14人が競った第二部の「奄美歌謡・ポップスの部」では、瀬戸内町出身の久原卓也さんが「島唄のブルース」で優勝した。
「会場が温かい雰囲気でリラックスして唄えました」。そう語ったのは、シマ唄の部グランプリに輝いたムスヤさん。「『野茶坊節』は大好きだから光栄です」と喜びもひとしお。一方、会場を沸かせ、第二部を制した久原さんは「今後とも奄美出身者に笑顔と勇気を届けられるよう、精進したい」と満足気だった。
出身者らによる紬ショーに続いて、全出演者にエールを送るよう多彩なゲストもステージを飾った。奄美からは台風をくぐり抜けて、唄者・中尾(旧姓・山下)聖子さんが駆け付けた。ほか藤田晶さんもシマ唄で奄美の風を吹かせていた。「琉球舞踊・伊是名の会」も華麗な演出で奄美の世界を表現。会場は大きな拍手に包まれた。
ゲストとして登場した歌手・屋宮弘孝さんの応援に札幌からやって来たのは、木村きいさん。南の島に憧れ奄美を何度か訪れるうち、屋宮さんと出会ってファンに。最前列でステージを見守った。初めての生シマ唄にも「とてもうまくて新鮮で、楽しませていただきました」と目を輝かせた。
惠原義之審査委員長は「シマ唄の部は、接戦で採点に苦労した。わずかな差だったがシマ唄や島口の発生と声の使い方にあまい部分があり、そこが点差になった。奄美歌謡はコミックソング風なものなど、クリエイティブで発想が豊かな作品があり、楽しませてもらった」と講評し、次回へ期待を込めた。
1部の準優勝は田中真由美さん、3位は稲井紘子さん、2部の準優勝は池田睦さん、3位は坂本順子さん。感激の表彰の後は、ワイド節、六調でフィナーレとなった。