道路標示補修率3割前後

奄美市の市街地でも学校周辺などで摩耗した横断歩道が見られる

危険な特定空き家 奄美は6市町が指導
県議会一般質問

県議会6月定例会は26日、引き続き一般質問があり、池畑知行議員=自民党、伊佐市区=、前野義春議員=県民連合、鹿屋市・垂水市区=、白石誠議員=自民党、薩摩郡区=、寺田洋一議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇した。奄美でも市街地の通行量が多い箇所を中心に摩耗や滅失などが見られる道路標示の補修率について2023年度は横断歩道が約31%、追い越しのための右側はみ出し禁止(黄色のセンターライン実線)が約28%と3割前後にとどまっていることが報告された。

野川明輝・県警本部長の答弁によると、道路標示の補修に関する同年度の要望は横断歩道166件、センターライン26件。県警の管理(全体総量)は横断歩道約1万5千か所、センターライン約2600㌔㍍と多数に及ぶ中、同年度の補修実績は横断歩道992か所約45㌔㍍、センターライン約71㌔㍍となった。24年度の道路標示関係の予算額は、大規模行事の国体があった前年度より約600万円増額の約1億7200万円で、横断歩道約51㌔㍍約1千か所、センターライン約66㌔㍍の補修計画を予定している。

道路標示の補修に関して石窪奈穂美・公安委員会委員長は「県警察からの報告や県民から多くの意見が寄せられているほか、警察署ごとに開催している警察協議会において委員から直接要望を受けており、公安委員会として補修を必要とする箇所が多数あることを承知している」との見解を示したうえで、破損、滅失、摩耗などによりその効用が損なわれないよう常に有効な状態を保つ配慮を求めていると説明。県警察に対しては、耐久性の高い工事工法を取り入れ摩耗の問題を軽減できないか助言しており現在、鹿児島市内において検証を行っているとした。

取り上げた前野議員は「高齢者や子どもなど交通弱者の安全確保へ優先度が高い箇所については知事部局(道路整備に関係する土木部)、県警本部が一緒に協議して補修の迅速化を図り県民サービスの向上に努めてほしい」と注文した。

倒壊の恐れのある空き家、いわゆる特定空き家に関する質問があった。答弁した木佐貫浄治・土木部長は「地域の生活環境に深刻な影響を及ぼすものであり、高齢化の進行や人口の減少によりさらなる増加が見込まれる」と説明。県内において今年3月末時点で20市町(奄美市、徳之島町、天城町、和泊町、知名町、与論町を含む)725件の特定空き家を指導しており、このうち479件が解体された。木佐貫部長は「さらに各市町村において取り組みを促進させる必要がある」として対策を実施する市町村を支援するため、▽弁護士など専門家を派遣し行政代執行の手続きについて助言▽県開発促進協議会を通じて国に対し空き家対策が効果的に進められるよう、空き家の除去等に必要な事業費の確保要望―を挙げた。

通学路に関する状況については地頭所恵教育長が答弁。21年度に市町村教育委員会において道路管理者及び地元警察等の関係機関と連携して実施した小学校の通学路の合同点検において「何らかの対応が必要とされる箇所は1397か所確認され、そのうち空き家が関係する箇所が13か所で、現在4か所撤去され、残り9か所は児童保護者に対し危険箇所の周知を図るなど安全が確保されるよう対策が行われている」と述べた。