奄美大島信用金庫本店に設置された「うそ電話詐欺防止マット」(30日、奄美市名瀬)
ダスキン「マット」で啓発
奄信金など金融機関へ設置
清掃用品のレンタル大手ダスキン(大久保裕行社長、大阪府吹田市)がこのほど、「うそ電話詐欺」への注意を促すフロアマットを作成し、9月30日、奄美市名瀬の奄美大島信用金庫(伊東寛久理事長)の本店に設置された。マットは同金庫を皮切りに、県内の各金融機関に導入を予定。現金自動預け払い機(ATM)前などに敷かれ、啓発が図られる。
同社によるレンタル用フロアマットを利用した特殊詐欺への啓発活動は、全国で各警察機関と取り組まれ、県内では鹿児島県警が協力。昨年末から企画され、マットには「振込STOP うそ電話詐欺」「鹿児島県警察」など表記されている。
県警によると8月末現在、県内で確認されたうそ電話詐欺被害は96件で被害額は約1億6300万円。SNS型投資ロマンス詐欺の被害は117件、被害額は約10億9千万円に上っている(いずれも暫定値)。
この日、奄美大島信用金庫本店ATM前で伊東理事長、奄美署員らが立ち会う中、デザイン、大きさが異なる「うそ電話詐欺マット」2枚を設置。西田哲常勤理事は「近年、新たな詐欺が多発し、声掛けなどによる注意喚起が難しい時代。利用者が詐欺を疑うきっかけとして、未然防止につながれば」と全支店で活用されるマットへ期待を寄せた。
今後、鹿児島銀行、鹿児島信用金庫への設置を予定。「ダスキン大島」を運営する㈲成和の仁田尾美貴(にたおよしたか)業務市場担当は「増加傾向の特殊詐欺を少しでも防げればと考えた取り組み。多くの金融機関での導入に向け、働きかけていきたい」としている。