自民党の石破茂新総裁は1日召集の臨時国会で首相に就任し新内閣発足後、9日には衆院を解散、15日公示、27日投開票の日程で総選挙に臨む。県内にある四つの小選挙区のうち奄美群島が含まれる2区は、同区と比例九州の現職2人、新人2人の計4人が立候補を表明しており、選挙戦へ活動を加速させている。
2区に立候補を表明しているのは、現職で無所属(自民会派)の三反園訓氏(66)、現職で自民党の保岡宏武氏(51)=比例九州、自民2区支部長=、共産党新人の松崎真琴氏(66)、日本維新の会新人の辻健太郎氏(38)。2区現職の三反園氏、比例現職の保岡氏はいずれも衆院議員1期で、2回目の当選を目指す。
三反園氏は年内選挙を見据えて選挙区内でのつじ立ちやあいさつ回りなどの活動を徹底してきた。選挙戦に向けて「国民が主役の政治を実現するため、さまざまな人々の意見(物価高や子育て支援策など)を聞き、これを国会での大臣質問などに生かし、国政に反映させてきた。3年間活動してきた経験、実績に基づいてさらに奄美群島を発展させるため引き続き国会議員として国政を担っていきたい」と決意を示す。
初の選挙区当選に向け活動を重ねている保岡氏は「(新総裁は)以前から新しい内閣の布陣で国民の審判を受けたいと発言していただけに早期選挙を想定していた」と語り、裏金問題が象徴する「政治とカネ」について「自民党への風当たりは依然として強い。だが、十把一絡げにされては困る。こちらは政治資金規正法に基づいて適切に事務処理をしており、自民党内の改革を中心となって進めていく」と意欲を示す。
衆院解散、総選挙のタイミングについて松崎氏は「解散権は首相にあるだけに、時間がないが、急いで有権者のみなさんに判断していただける政策を示していきたい」と語る。2区は保守分裂の構図で、他の野党系組織や市民団体との連携実現がポイントだが、松崎氏は「維新も保守的な政策を掲げているだけに、他の野党支持者の支援結集を目指していきたい。自民党政治をこのまま続けるのか、暮らし優先の政治に変えるのか問いたい」と強調した。
辻氏は今年2月に立候補を表明。この中では自民党の裏金問題に触れ「調査研究広報滞在費の領収書の公開や政治資金規正法への連座制導入に取り組み、身を切る改革を進めたい」と述べた。奄美市名瀬生まれで、鹿児島市の甲南高校を中退して米国の高校に入学し、卒業後は貿易や通信などの事業を立ち上げた。維新の2区支部長で事務所は奄美市名瀬に開設している。
このほか参政党も2区に候補者擁立の構えを見せており、5人による争いになる可能性がある。