「観光に優しい町作り」提案

英会話レッスンに真剣に取り組む参加者たち

大高英語部 英会話教室も
あまみならでは学舎

 県立奄美図書館(宮永治館長)は5日、2024年度あまみならでは学舎の5回目講座を奄美市名瀬の同館研修室で開いた。大島高校英語部(脇本由里香顧問、竹下悠雅顧問、ジェイソンALT、部員15人)が「3F Projectで外国人観光客に優しい町作り」を演題に講話。43人の聴講者を前に、通訳ボランティアを通して感じ、奄美の良さを伝えるための提案を行うとともに、英会話レッスンを実施した。

 同部は、英語ディベート大会や英語プレゼンテーションコンテストなどの出場を通して、英語力向上のために活動。昨年度は、第9回県中・高校生英語プレゼンテーションコンテストで1位、第4回高校生探究コンテスト(探究成果発表大会)スライド発表の部社会科学分野で最優秀賞、23年度奄美市文化・地域づくり功労表彰(地域貢献賞)を受賞している。

 市役所からの依頼で23年度には3回、外国クルーズ船観光客への通訳ボランティアに参加。体験を通して感じたことや課題、解決方法などを「3F Project」として提案した。3Fとは、Fascinating(魅力的で)、Foreigner(外国人に)、Friendly town(優しい町)の略。観光で奄美を活性化したいという高校生の思いを伝えた。

 課題を、外国語表記の案内や交通手段が少ないことにより、「奄美の経済を活性化するチャンスを逃している」とした。①地域産業の支援②外国人観光客の支援③新たな移動手段とガイドの提供を目的とした、3F Companyの設立を提案した。

 英会話レッスンは「こんな時、なんてyou know(言うの)?」と題し、①お土産屋さん②道案内③しまバス内④飲食店―の四つの場面を想定し実施された。

 新田妃香(あらたひかる)部長(2年)は「観光で奄美を活性化してほしい」とし、「短いフレーズを覚えて、勇気を出してコミュニケーションを取ってほしい」と語った。

 参加した中学校教諭の福原誠也(ともや)さん(49)は「高校生のプレゼンテーションを見たくて参加した。うまくプレゼンしていた。英会話は抵抗があるが、日常会話のマニュアルは、実用性があると感じた」。成田小百合さん(44)は「高校生が奄美のことを思い活動し、素晴らしいと感じた。生徒たちが今後、奄美をPRしてくれると思うとたくましい」と話した。