亀津中吹奏楽部 21年ぶり全国大会へ

21年ぶり全国大会出場を前に開いた亀津中学校吹奏楽部の定期演奏会=6日、徳之島町文化会館

難解な現代音楽引っ提げ定演で魅了

【徳之島】九州地区から唯一、第30回日本管楽合奏コンテスト出場を決めた徳之島町立亀津中学校吹奏楽部(宇都遼介・小隈一徳顧問、金城結部長・部員26人)の「定期演奏会2024」が6日、同町文化会館であった。県吹奏楽コンクール2年連続金賞に続き、21年ぶりの同全国コンでも演奏する先鋭的な現代音楽ナンバーも交え、約400人の観客を魅了した。

亀津中吹奏楽部は、先輩たちから受け継いだ「合心響魂」をスローガンに笑顔あふれる活動がモットー。24年度は第58回県中学校音楽コン「夏の祭典」録音審査の部金賞に続き、第69回県吹奏楽コン中学生Aの部で2年連続金賞(打楽器パート)で審査員特別賞「おりべ賞」も獲得した。

2年連続金賞でも九州大会・県代表の座は逸していた。しかし、9月末の日本管楽合奏コンへの録音予選では見事最優秀賞を獲得。九州地区から唯一、亀津中としては21年ぶりの全国大会出場権を獲得した。

全国ひのき舞台への壮行・激励演奏会も兼ねた定演は、高らかな「栄冠は君に輝く」の演奏で第1ステージが開演した。県吹奏楽コン自由曲に磨き上げ、全国大会にも引っ提げて挑む「秘儀Ⅱ~7声部の管楽オーケストラと4人の打楽器奏者のための~」(西村朗作曲)も披露。研ぎ澄ました金属打楽器と膜質打楽器を交えた繊細で迫力に富んだ演奏に、称賛の拍手が巻き起こった。

第2ステージには亀津小吹奏楽部、徳之島高校音楽部、徳之島吹奏楽団(一般)の3団体が賛助出演して総勢約60人の合同演奏も。第3ステージでは「ワイド節」やアニメソングなども交え幅広い楽曲で楽しませた。

全国大会(日本管楽合奏コン)は11月2日、東京都文京区「文京シビック」大ホールである。部長の金城さん(3年)は「全国大会への切符を手にできたのは先生や保護者、多くの島の人たちの支援のおかげ。最優秀賞を目標に頑張ります」、顧問の宇都教諭(30)は「4月に赴任したが、毎日の地道な積み重ねが結果につながったと思う。島の子どもたちの良さを十分に引き出して全国最優秀賞を目指したい」と抱負を語った。

観客視点で徳之島高音楽部の餘慶暁(よけいあきら)顧問(34)は「すごく難解な現代音楽に臨んでいるが、一音一音に引き出したい指揮者と子どもたちの意図が十分に伝わってくる。聴くたびにレベルアップしており、残された期間でさらに上を目指してほしい」と話した。

保護者会などはクラウドファンディング(「エールズ 亀津中」検索)で旅費・楽器輸送など遠征費支援協力も呼び掛けている。