大島紬の歴史と精巧さを学ぶ

大島紬について説明を受ける生徒ら(8日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合)

大島紬の製品検査の様子を見学する生徒ら(奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合)

講師らの手助けを借りながら大島紬の着付けをする生徒ら(奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合)

体験学習で古仁屋高生

 瀬戸内町の古仁屋高校(米澤瑞代校長)の1年生39人は8日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合(黒田康則代表理事)と龍郷町にある大島紬村で「大島紬に関する体験学習」を実施した。生徒たちは大島紬が作られていく過程を通して地域の伝統工芸品の重要性を学んだ。

 体験学習は「総合的な探究の時間」の一環。

 一行は名瀬の本場奄美大島紬協同組合で大島紬の制作過程を見学。

 組合職員から奄美群島地域産業振興基金協会が主催する第35回本場奄美大島紬製品化コンテストで古仁屋高の生徒がデザインした作品が選ばれ、実際に製品化したこと、「大島紬は高級品であるがそれには多くの人の手と時間をかけて生み出しており、分業制で30以上の工程や半年から約1年という時間をかけて完成される」こと、「泥染め」は奄美大島でしかできないことなどを説明後、同組合が運営している本場奄美大島紬技術専門学院で紬が織られていく織工の様子を見学。いくつもの工程を経て完成した製品を検査する「製品検査」では実際に検査を受けて、本場奄美大島紬のマークである地球儀印に経済産業大臣指定「伝統的工芸品」である証のシールが交付される場面や合格の印鑑が押される様子などを見た後、着付け体験へ。慣れない着物の着方や、帯の結び方に苦労しながらも、講師たちの助けもあり、全員が時間内に着付けを終了した。女子生徒は「かわいい」「きれい」と鏡を見たり、友達同士で見せ合ったりした。男子生徒も腕組みをして記念撮影するなど、着付けを楽しんだ。

 中島帆七海(ほなみ)さん(15)は「高級品という意味がよく理解できた。多くの人が携わり、時間をかけて織物が作られていくのに感動した。生地も厚いものかと思ったが、触り心地もよく、着やすい。成人式にもう一度来てみたい」と話し、鈴木莉愛菜(りあな)さん(16)は「一つの反物に多くの人が関わり、紡いでいく大島紬の奥深さを知った。初めての着付けで着るのが大変だったけど無事にできてよかった。成人式のときには必ず着たい」と語った。

 一行は昼食後、龍郷町の大島紬村へ移動。泥染め工程の様子などを見学した。