視覚障がい者を誘導する時の注意点をアドバイスした良久万里子さん(左端)=12日、知名町役場議会議場=
タンデム自転車を体験する子どもたち(12日、知名町の下平川小学校)
【沖永良部】今月15日の「国際白杖の日」を前に、白杖デー&タンデム体験会が12日、知名町の各会場であった。主催したNPO法人エラブてぃぬひら代表の清村明仁さん(68)は「障がいがある人に優しい島にしたい。そして誰もがタンデム自転車を楽しめる島にしたい」と話した。
「国際白杖の日」は、1970年に世界盲人連盟(現在の世界盲人連合)が定めた。イベントは、視覚障がい者が使用する白杖の役割や、視覚障がい者とのコミュニケーションツールとして注目され、2人以上で乗れるタンデム自転車の楽しさを知ってもらおうと開催。知名町にぎわい空間創出支援事業を活用した。
同町役場議会議場で講演会があり、島内から約40人が参加。今井力夫町長は「障がい者がいると気づいた時、どういった配慮ができるのかを考えてほしい」とあいさつした。
「白杖の日にちなんで」と題して講演した県視聴覚障がい者情報センターの良久万里子さんは、白杖を携帯する目的として▽視覚障がい者であることを周りの人に知らせるためのシンボル▽路面の変化等の情報の入手▽段差の把握等の安全性の確保―を挙げた。このほか、白杖の種類や使い方、視覚障がい者を誘導する時の注意点などをアドバイスした。
続いて、タンデム自転車の意義について熊本県タンデム自転車普及会の稲葉洋一さんが講話。視覚障がい者と一緒にタンデム自転車で日本列島を縦断した経験がある稲葉さんは「後ろに乗った視覚障がい者も風を感じながら走ることができるのが魅力」と話し、安全に乗るコツとして「お互いで声を掛け合うことが大事」と語った。
同町下平川小学校で開かれたタンデム自転車の体験会には、同小の児童らも参加。最初はバランスを崩しそうになっていたが、慣れてくるとスピードに乗り気持ちよさそうに走っていた。
同小3年の塩屋祐希人さん(8)は「倒れそうで怖かったけど、すぐに慣れた。2人で走ると楽しい」と話した。