空き家の利活用へ意見を交わしたあまみ空き家ラボの説明会
少子化が進む大和村名音集落で、空き家を活用し子育て世代の移住につなげようと取り組みが始まっている。12日は、NPO法人あまみ空き家ラボの専門家を招いて、集落の空き家調査や住民との意見交換を開催。校区児童の減少が見込まれる近い将来を見据え、活気ある教育環境の継続、児童の確保を模索していく。
取り組むのは、福山良平区長と集落住民ら5人でつくる名音空き家対策作業部会。校区の名音小学校には現在、15人程度の児童が在籍しているが、現状のままだと5年後には5人程度に減少することが予想されている。この状況に危機感を募らせた有志らが集落に点在する空き家に目を付け、今年8月に同部会を発足。移住での受け入れを念頭に、利活用に向けた活動を始めた。
この日は同ラボの佐藤理江理事長、森まゆみ大島地区マネジャー2人が集落を訪れ、10件ほどの空き家を視察した。夕方からは住民約20人が参加する説明会も同公民館で行われた。
説明会では、同ラボが空き家活用を仲介するサービスのサブリースに加え、新たな取り組みの家主向け、入居者向けのサービスのほか、校区の活性化を目指すマッチング事業「親子ピア」などのメニューが紹介された。ただ、子育て世代を呼び込むためには、安全や衛生面など住環境に求められるハードルも高い。佐藤理事はミスマッチを防ぐための事前面談やお試し生活体験といった事前交渉法などを提案し、「島への移住者は集落行事の参加なども前提にある。集落の思いが大切になる」と呼び掛けた。
会では各種トラブルについても意見を交換。役場担当者からはリフォーム助成などの活用を進言する声もあった。
森マネジャーは会後、「コロナ禍では移住相談も盛んだったが、最近はやや落ち着いた感じもある」と分析しつつも、名音集落については「9割くらいは物件も何とかなりそう。活気やまとまりのある集落で、特長をじっくりと伝えていければ」と話した。福山区長は住民の協力が不可欠とした上で、「集落の子どもたちも緩やかに減っていく。選択肢を増やしたい。早めに取り組むことで、少しでも子育て世帯の移住につなげていければ」と話した。